飲んでもいい飲み物
・だめな飲み物!
糖尿病患者は飲み物に気を使うべき!
血糖値が高い状態が続くと、浸透圧の関係で細胞内から血液中にミネラル成分がしみだし、喉の渇きが強く感じられるようになります。そうすると、頻繁に水分補給をすることになります。この時に飲んでもいい飲み物は、水やお茶など、糖類が含まれていない飲み物です。
糖類が多く含まれる清涼飲料水を飲むと、浸透圧の関係で、ますます喉が渇くという悪循環に陥り、糖尿病をさらに悪化させてしまいます。糖類が多く含まれる飲み物は、飲んではダメな飲み物です。食事で炭水化物や糖類の糖質制限をするなど、食事を変えることは大変なこともあります。
それならば、まず、飲み物から変えてみていかがでしょうか。糖類を含む清涼飲料水には、食事に含まれる糖質よりもずっと多量の糖質が含まれているため、糖質制限には効果的です。
天然水
・特定の水源から採水された、天然ミネラル成分が豊富な水のことです。
・カルシウムやマグネシウムの含有率が高いものを硬水、低いものは軟水といいます。
・バナジウムやケイ素(シリカ)には血糖値を下げる効果があります。
トクホ飲料(お茶)
・トクホは特定保健用食品の俗称です。
・健康に良い効果が期待できる食品として消費者庁から認可を得たものです。
・「難消化性デキストリン」など5種類が、血糖値の上昇を抑える成分として認められています。
温泉水
・温泉水には糖尿病への良い効果があることが分かっています。
・糖尿病に良く、飲用に向いているのは、炭酸水素塩泉と硫黄泉です。
・慶応大等の研究チームは、温泉水の糖尿病予防効果を実験で証明しました。
怖い清涼飲料水の糖質
市販の清涼飲料水には、たくさんの砂糖が含まれています。多くの商品において、角砂糖4.7~5.2個に相当する砂糖が入っており、炭酸水においては500mlあたり16.5個分もの砂糖が入っている商品もあります。
喉が渇いたときに、このような砂糖たっぷりの飲料水を飲んでしまうと、血糖値が上昇し、尿量が多くなり、喉の渇きが強まるという悪循環を招きます。
糖分を燃焼できなくなると、脂肪からタンパク質を燃やそうとしますが、その際にケトン体という物質が作られます。これが血液中にたまると、ひどい場合には意識障害や昏睡といった深刻な事態に陥ることがあります。
もう少し詳しく解説していきましょう。ケトン体は、絶食や激しい運動などによってエネルギー源である体内のブドウ糖が足りなくなったときに、それに代わるエネルギー源として肝臓で生成されます。ケトン体は健康な人の体内にも存在するので毒性のある物質ではありません。
しかし、通常体内に存在するケトン体は少量ですが、これが大量に生成されると、ケトン体によって血液が酸性となる「ケトアシドーシス」という症状が発生します。こうなると腹痛や吐き気、深くて早い呼吸といった症状が現れるのです。さらに症状が重くなると、意識障害や昏睡といった命に関わるような症状も出るので、早急な対応が必要となります。
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糖質が含まれていない飲料
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天然水
天然水とは水道水とは違い、特定の水源から採水された水や鉱水など、天然のミネラル成分が豊富に含まれている水のことを言います。カルシウムやマグネシウムの含有率が高ければ硬水、低いものは軟水と呼んでいます。
これらに含まれるミネラル成分は、胃腸の働きを改善したり血圧の調整をしたりするなど、身体全体のバランスを整える作用を持っています。特にケイ素(シリカ)は、血液の流れをスムーズにして血糖値を改善する効果が期待できます。
また、バナジウムにも糖尿病の改善効果があることが分かっています。バナジウムには体内でインスリンと同様に血糖値を下げる効果があり、糖尿病治療の効果があるとされているのです。
東京医科大学薬理学の渡辺泰雄助教授らの行った実験によれば、1日3回普通の水を飲んだグループとバナジウム入り天然水を飲んだグループを比較してみたところ、後者のグループの血糖値が下がっていることが確認されています。なお、バナジウムの効果を得るには継続して摂取することが大切です。ただし、研究は行われているようですが、「効果あり」とする科学的根拠はまだありません。
- 含まれている成分
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- ・カルシウム…神経やホルモンを安定させる
- ・ナトリウム…他の栄養素の吸収を補助
- ・マグネシウム…カルシウムと共に抗ストレス
- ・カリウム…高血圧や脳卒中の予防
- ・ケイ素(シリカ)…血流を改善して糖尿病予防
- ・バナジウム…インスリンに似た作用で血糖値を下げる
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トクホ飲料(お茶)
トクホは特定保健用食品の俗称で、健康に良い効果が期待できる食品として、消費者庁から認可を得たものを指します。血糖値の上昇を抑える成分としては、「難消化性デキストリン」、「L-アラビノース」、「難消化性再結晶アミロース」、「グァバ葉ポリフェノール」、豆鼓エキス」の5種類の成分が認められていて、これらの成分を使ったトクホ飲料がたくさん販売されています。
難消化性デキストリンは、食物繊維と同様に糖の吸収を緩やかにするほか、食物に含まれる炭水化物の吸収を遅延させる効果もあります。L-アラビノースは、小腸でのスクラーゼ阻害作用によって糖質の消化・吸収を緩やかにします。
難消化性再結晶アミロースは主にパンに含まれている、消化吸収されにくい炭水化物です。グァバ葉ポリフェノールは、αグルコシダーゼ、αアミラーゼといった消化酵素の働きを抑制することで、糖の分解をおさえ、血糖値の上昇を緩やかにします。豆鼓エキスには、αグルコシダーゼの阻害作用があります。
- 含まれている成分
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- ・難消化性デキストリン…食後血糖値の上昇抑制
- ・グァバ葉ポリフェノール…食後血糖値の上昇抑制
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温泉水
温泉水もまた、糖尿病への良い効果があることが明らかになっており、最近は温泉を飲んで病気の予防や改善に努めている人も増えています。日本では10種類の泉質がありますが、糖尿病に良い成分が入っていて、飲用に向いているのは、炭酸水素塩泉と硫黄泉の2種類です。
炭酸水素塩泉は、血糖コントロールに作用し、硫黄泉はインスリンの生成を促す働きを持っています。ただし、硫黄泉はタマゴの腐敗臭のような独特の臭いがあるため、常飲するなら炭酸水素塩泉をおすすめします。
温泉水による糖尿病予防効果を証明した実験としては、2015年12月に発表された、慶応大先端生命科学研究所と日本健康開発財団のチームのものがあげられます。
本チームはマグネシウム、カリウム、カルシウムが豊富な泉質として知られている、大分県竹田市の長湯温泉を選びました。そして、水道水と温泉水を1週間毎に交互に飲んで血糖値などの各種データを確認したところ、実験に参加した19人のうち、実に16人に血糖値の低下が見られたのです。
- 含まれている成分
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- ・マグネシウム…インスリン分泌能力の向上
- ・カルシウム…インスリン分泌能力の向上
- ・硫酸イオン(サルフェート) …内臓活性
- ・炭酸水素イオン…血液の酸性化の中和
糖質が含まれていない飲料へ変える
もしも糖尿病患者や予備軍の方が普段の飲み物として、糖質が含まれる清涼飲料水を飲んでいるのなら、すぐに水やお茶など糖質が含まれていない飲料に変えることをおすすめします。
清涼飲料水には、約10%もの糖類が含まれています。食事に含まれる糖質と比較しても、多量の糖質が含まれていることになります。せっかく食事で糖質制限をしていても、これでは何の意味もありません。
天然水やトクホ飲料の中には、血糖値を下げるなど、血糖コントロールに良い効果をもたらすものもあるようです。こうした飲み物をうまく活用しながら、糖尿病を克服していきましょう。
糖類ゼロと糖質ゼロの違い
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糖類ゼロとは
糖類は、糖質のうち、ブドウ糖や果糖などの単糖類と、砂糖、乳糖、麦芽糖などの二糖類をさします。つまり、“糖類”とは、“糖質”の一部ということになります。
“糖類ゼロ”とは、この糖類が食品100g中(または飲料100ml中)含有量が0.5g未満である食品をいいます。
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糖質ゼロとは
糖質とは、炭水化物中の消化がされやすいグループに属する成分です。
炭水化物は、消化されにくいグループと消化されにくいグループとに分けられます。食物繊維は消化がされにくいグループ。糖質はそれ以外の消化されやすいグループです。
糖質は、前述した糖類に加え、でんぷんなどの多糖類・キシリトールなどの糖アルコールなどを加えた分類を意味しています。
ちなみに、“糖分”という言葉には特に定義はありません。糖質・糖類の区別があいまいであるため、「糖分」のみ記載されている場合は注意しましょう。
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単糖類、二糖類、多糖類とは
単糖類とは、ブドウ糖、果糖など、それ以上加水分解(水に反応しておこる化学反応のこと)できない糖の最小単位です。
二糖類とは、砂糖(ショ糖)、乳糖、麦芽糖などのような、加水分解で単糖類が2つ生じる糖類のこと。
多糖類とは、オリゴ糖、デキストリン、デンプンなどの、加水分解で単糖類が多数生じる糖類のことです。
ごはんの主成分であるデンプンは多糖類です。 デンプンは、唾液や腸液に含まれる消化酵素によって、二糖類や単糖類にまで加水分解され、体内に吸収されます。つまり、多糖類よりも、単糖類や二糖類のような、小さく分解された糖類のほうが体に吸収されやすいという特徴があります。
どうしても清涼飲料水を飲みたいならグラスに注ぐこと
夏場やスポーツの後などは、どうしても清涼飲料水を大量に飲んでしまいがちです。当然、そうなると一気に大量の糖質を摂取してしまうことになり、急激に血糖値を上げてしまうのです。それを防ぐためには、清涼飲料水を飲むときには必ずグラスに注いでから飲むようにするのが有効です。
紙パックやペットボトルから直接飲むと、500mlくらいの量なら一気に飲めてしまいます。そこで、飲むときにグラスを使うことで一度に大量に飲むことを防ぐのです。コップに出すことで自分が飲んだ量を把握できますし、2杯目を注ぐ前にストップをかけることもできます。また、甘いおやつの際には飲み物は清涼飲料水ではなく、ノンシュガーのお茶やコーヒーにするなどの工夫もするべきでしょう。
間食が多い人は糖質の少ない飲み物を選ぶこと
食べるものの内容にもよりますが、間食が多いと糖質の摂取量も必然的に増えてしまいます。そこに、さらに糖質の多い清涼飲料水を飲んでしまうと過剰に糖質を摂取することになります。そのため、間食が多い人が糖尿病を予防するためには、間食の回数を減らすのはもちろんのこと、糖質の少ない飲み物を選ぶことも大切です。
まず、清涼飲料水や缶コーヒーは含まれている糖質が多いので避けたほうがいいでしょう。また、果物・野菜ジュースも、それらの果汁やエキスの含有率が低いほど、その分多くの甘味料で甘くしています。また、内容量にも注目してください。250mlなら含まれている炭水化物の量は30g程度ですが、500mlのペットボトルを一気に飲み干せば、炭水化物の量は倍の60gとなります。
その他の飲み物と血糖値の関係
日常生活の中で口にする飲み物には、たくさんの種類があります。その中には、糖尿病の原因である血糖値の上昇を抑制する効果を持つもの、逆に血糖値を上げてしまうものなどさまざまです。ここでは、血糖値と飲み物の関係を紹介。普段、何気なく飲んでいる飲み物が実は良かったり悪かったりします。