このページでは、飲み物に含まれる砂糖の量や血糖値を上げてしまう可能性のある飲み物ついてまとめています。
飲み物に含まれる砂糖の表示基準
市販されている飲料の中には、糖分を多く含む商品も少なくありません。糖分にはいくつかの種類がありますが、清涼飲料水に多く含まれる「単純糖質」は、摂取した直後から血糖値を急上昇させるハイリスクな糖分です。市販の飲み物を購入する際には、栄養成分表によく目を通し、糖分(=炭水化物)が少なめの商品を選ぶようにしたいものです。
このページでは、各種糖分の性質等に加え、さまざまな食品のパッケージに表記されている「カロリーゼロ」「低カロリー」「低糖」「微糖」「無糖」などの基準についても解説しています。なお、これら表記は、商品の販売促進を目的としたメーカーのキャッチコピーではありません。健康増進法に基づいた厳格な基準のもとで表記が許されているコピーです。
炭酸飲料
国立がん研究センター予防研究グループは、日本人の男女約30,000人を対象に、1990年から10年間にわたって「清涼飲料水と糖尿病の発症リスクとの関係」について調査・研究をしてきました。
調査の結果、コーラ等の甘い炭酸飲料や、100%未満の果汁飲料を常習的に飲んでいる女性において、糖尿病の発症リスクが有意に高まることが分かりました。なお、同様の食習慣を持つ男性においては、有意な違いを確認できませんでした。
一部の炭酸飲料を始め、市販されている清涼飲料水の中には、糖分を多く含んだ商品も少なくありません。時々飲む分には問題ありませんが、清涼飲料水が食習慣の一部となっている人は、血糖値に注意したほうが良いでしょう。
フレーバーウォーター
水と同じように無色透明の液体でありながら、甘い味があって飲みやすいフレーバーウォーターが、様々な飲料メーカーから販売されています。
フレーバーウォーターは一見するとミネラルウォーターのように思える上、自動販売機などで気軽に購入できることもあり、消費者の中には普通の水と同じ感覚で水分補給や熱中症対策に利用している人も少なくありません。
しかし、フレーバーウォーターは糖分や香料を含んだ、歴とした「清涼飲料水」であり、フレーバーウォーターを飲み過ぎると糖尿病の発生率を上昇させる危険があります。
また、フレーバーウォーターを大量に飲むことで引き起こされる、急性糖尿病「ペットボトル症候群」にも注意が必要です。
エナジードリンク
エナジードリンクは疲労感や眠気を和らげる効果がある飲み物。仕事が立て込んでいるときにお世話になっている人も多いでしょう。しかし、エナジードリンクには多量の糖が含まれているため、直接的な血糖値の上昇を招きます。また、含まれているカフェインは更なる血糖値の上昇を促すおそれがあるのです。
エナジードリンクに多量に含まれている糖とカフェインの2つの効果で血糖値が上昇。糖尿病が気になる方や糖質制限している方は、過剰な摂取を控える必要があるでしょう。エナジードリンクの持つ効果を正しく理解した上で摂取することをオススメします。
スムージー
スムージーはダイエットや食事に気を付けている人にとってはパーフェクトなドリンクと考えがち。ですが、実は良い側面ばかりではありません。飲みやすさを重視して甘い果物を多く入れたり、はちみつを追加したりと多くの糖が含まれているのです。糖は胃や腸で糖として吸収され、血糖値を上げる直接的な要因となります。
スムージーに入れる食材は野菜中心にする、甘い味付けは控えるなど、糖質を抑える工夫が必要です。また、食事と一緒に飲むのではなく、食事の代わりとして摂取するのが効果的でしょう。急激な血糖値の上昇・下降を抑えるためにも、一気に飲んでしまうのではなく、時間をかけてゆっくり飲むといった摂取方法もおすすめです。
タピオカドリンク
巷で流行しているタピオカドリンクは、糖を多く含むドリンクです。タピオカの原料であるキャッサバと呼ばれる芋はでんぷんを多く含みます。また、タピオカ以外のミルクティーなどの飲み物も、冷たい状態でも十分に甘さを感じるように多量の砂糖を入れて販売していることも。これらの糖は胃腸で消化吸収され、血液に入ります。これが血糖値の上昇の仕組みです。
また、糖を多く含むタピオカですが、グルテンをほとんど含まない食材としてグルテンフリー料理に活用されるなど、健康食材としての側面もあるようです。糖質制限やダイエットを行っている方は、飲む頻度や飲むタイミングをよく考えて楽しむようにしてください。
烏龍茶
体に脂肪を付きにくくする…といったイメージから体に良さそうなイメージの烏龍茶。ダイエットのお供に烏龍茶を選んでいる人も少なくないはずです。しかし、烏龍茶は摂りすぎると血糖値を上げる原因になる可能性が示唆されています。血糖値が気になる方は、「身体に良さそう」というイメージだけでなく、根拠をもって飲料を選ぶようにすることをおすすめします。
ミルクティー
ミルクティーは、紅茶と牛乳などの乳を合わせた飲み物です。紅茶も牛乳も、血糖値の上昇を抑制するという研究報告がありますので、ミルクティーも血糖値を下げる効果があると考えられます。しかし、ミルクティーに砂糖を入れた場合はまったく違ってきます。砂糖入りミルクティーを含む、市販の清涼飲料水には、平均約10%という多量の糖類が含まれています。これほどの糖類を含むミルクティーであれば、それは、「血糖値を上げる飲み物」といえるでしょう。
カフェオレ
カフェオレは、コーヒーと牛乳を半々に合わせた飲み物です。コーヒーも牛乳も、食後の血糖値の上昇を抑制する効果があることが分かっています。この2つを合わせたカフェオレも、血糖値の上昇を抑える飲み物といえます。
しかし、カフェオレに砂糖を入れた場合は、まったく事情が違ってきて、砂糖を入れたことで、カフェオレは、「血糖値を上げる飲み物」となってしまいます。
砂糖入りのカフェオレの飲み過ぎは、清涼飲料水ケトーシスになる恐れがあるため、注意が必要です。
ゼリー飲料
ゼリー飲料は、清涼飲料水をゼリー状に固めたものと考えることができます。清涼飲料水には、平均10%もの糖質が含まれており、血糖値を上げる飲み物です。清涼飲料水を摂りすぎると、ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)という急性の糖尿病を発症することがあります。
ゼリー飲料の中でも、とくに、カロリー摂取やエネルギー補給を目的としたものは、糖質の含有率が高くなります。清涼飲料水よりも、さらに糖質の多いゼリー飲料は、「血糖値を上げる飲み物」であるといえるでしょう。