天然水の糖尿病への効果

糖尿病に天然水が効果的なのかを調査

ここでは、天然水が糖尿病に与える影響やエビデンスを紹介。選ぶ際の基準についても解説しています。

糖尿病に天然水は効果
natural water

天然水のミネラル成分
「ケイ素」に注目

天然水にはカルシウムやマグネシウムといったミネラル分が豊富に含まれており、胃腸の働きを改善したり血圧の調整やむくみを解消するなど、身体全体のバランスを整える効果が期待できます。糖尿病に対しては、血液の流れをスムーズにする働きをもつミネラル成分「ケイ素」が注目されています。ケイ素にはどのような効果があるのでしょうか。

ケイ素(シリカ水)の効果

ケイ素の効果

糖尿病において注目されるミネラル成分は、ケイ素(シリカ)です。ケイ素には血管の中にできたプラークを分解して排出し、血液の流れをスムーズにし、傷ついた血管や詰まった毛細血管を修復して、血管を強くする働きがあります。
三大生活習慣病(心疾患・脳卒中・糖尿病)には血流障害が深く関わるため、天然水を飲用してケイ素を摂取することで、間接的に原因を取り除き、合併症のリスクを下げることが期待できます。
一口に天然水と言ってもさまざまな種類があり、含まれているミネラル成分には違いがあります。
目的に合ったものを選ぶようにしてくださいね。

天然水を選ぶ基準 天然水を選ぶ基準

1

ケイ素含有量が豊富であること

天然水に含まれるミネラル成分の「ケイ素」は、血液の流れをスムーズにする働きをもっており、糖尿病を始めとする三大生活習慣病の予防を期待できます。 一般的な天然水のケイ素含有量は1L中33mg程度で、50mgを超える製品はあまりありません。70mg以上含まれていればより効率よく、ケイ素を取り込めます。 成分表示を確認してケイ素含有量が多いものを選ぶようにしましょう。

2

還元水であること

生活習慣やストレスにより酸化してしまった身体は、さまざまな病気を引き起こすと言われています。還元水は、酸化した身体を抑制(還元)し、健康な身体状態に導いてくれる働きがあります。 一般的に還元水は水を電気分解して生成されるものですが、長い歳月をかけてできる天然の還元水の方が味わいもよく、含有するミネラルが豊富です。

3

抗糖尿病のエビデンス

天然水の中には、糖尿病に効果があると販売会社が謳っていても、効果を証明するエビデンス(科学的根拠)が無いものもあります。 糖尿病に有効な天然水を探す時は、専門の研究機関や、医療機関で行われた臨床実験、研究結果を必ず確認しましょう。

efficacy

糖尿病に効果を発揮する
研究結果を持った水とは?

研究結果を持った水

ヒトに対する研究結果がある天然水「日田天領水」

糖尿病のエビデンスをもつ天然水に「日田天領水」があります。九州大学の研究で、実際に日田天領水を使った抗糖尿病効果の試験を実施。モデルマウスでインスリン欠乏に起因する1型糖尿病に効果があることが示されたり、2010年のヒト臨床試験では、糖尿病患者と高脂血症患者が2ヵ月間にわたり1日当たり約2リットルの日田天領水を飲んだ結果、89%の糖尿病患者において血糖値が有意に低下。さらに、92%の高脂血症患者の血液トリグリセリドと総コレステロール値が有意に低下したと報告されています。

参考文献:九州大学|健康に良い還元水研究の進歩p.8(PDF)

もっと詳しくは
日田天領水 糖尿病日田天領水 糖尿病

バナジウム天然水は糖尿病に効果あるの?

ヒトに対する研究結果は無し

バナジウム天然水は効果

バナジウム天然水は、玄武岩の地盤がある富士山でのみ採水できるもので、体内でインスリンと同じ働きをするため糖尿病の改善に役立つと言われています。
アサヒ飲料・アサヒビール・日本薬科大学・東京医科大学が2005年に共同で行った「バナジウム含有天然水の糖尿病改善効果における機能・形態学的考究」では、マウスを使った試験でインシュリン受容体の活性低下を防ぎ糖尿改善効果があることを明らかにしています。しかし、ヒトに対するエビデンスはありません。
マウスのエビデンスを人間に換算すると、7,8年間毎日2リットル近くの天然水を摂取しなければなりません。
また、1987年、米国でバナジウムの金属化合物を糖尿病ラットに与えたところ、血糖値を下げるインスリンと同様の作用が 現れたと報告されていますが、これも人に対するエビデンスは無く、天然水で摂取する場合は1トン近くの多量の水を毎日飲む必要があり、現実的ではありません。
バナジウムの血糖値を下げる効果は否定できませんが、ヒトに対する実験結果は得られておらず、マウス実験だけでは説得力に欠けます。天然水ではやはり明確なヒトに対するエビデンスがあるものが安心でしょう。

天然水の成分

天然水の成分

天然水とは鉱水など天然ミネラル成分を豊富に含む水のことで、体内で不足しがちなミネラルを補給でき、味わいにも優れます。ヒトの栄養素となり注目される成分としてはカルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛、バナジウム、シリカ(ケイ素)があります。

天然の還元水とは

天然の還元水とは

還元水とは水を電気分解して生成されるアルカリイオン水のことですが、人工的なものだけでなく長い年月をかけて自然が生み出す天然の還元水も存在します。飲用すると胃腸の働きを改善して便通をよくしたり、抗酸化作用があるためエイジングケアにも役立つと期待できます。

ミネラル成分について

天然水に良く含まれているミネラルについて詳しく解説します。

天然水に含まれる成分

炭酸水素イオン(重炭酸イオン)

炭酸水素イオン(重炭酸イオン)は、温泉水やミネラルウォーターなどに含まれるアルカリ性のミネラルです。そのペニシリン作用を糖尿病治療に活用しようと様々な研究が進められています。また、病気や老化の原因とされる活性炭素に対して抗酸化作用があることが判明し、健康だけではなく美容目的においても注目されています。

鉄分は、脾臓や肝臓に貯蔵されている微量のミネラルで、体に必要になったときにはその貯蔵分から補給されます。鉄分が不足すると貧血になると言われますが、鉄分を摂り過ぎても鉄中毒になるので注意が必要です。鉄中毒は、便秘や胃腸障害を引き起こし、最悪の場合死に至る危険性もあります。そのため、鉄分はバランスよく摂る必要があります。

クロム

クロムとは微粒ミネラルで、「3価クロム」と「6価クロム」があり、自然界で摂れる食品に含まれていたり、人体で形成されたりするものは3価クロムがほとんどです。インスリンの作用を強め、血糖や血液中の脂質を調節できます。通常の食生活をしていれば不足しませんが、不足した場合は、インスリンの作用が低下し糖尿病のリスクが高まります。6価クロムは人為的に作られた物で、強い刺激性や毒性があります。発がん性の高い物質でもあり、環境汚染物質とも言われます。

シリカ(ケイ素)

シリカ(ケイ素)には直接血糖値を下げる効果はないとされていますが、近年ケイ素の摂取によって「腸内フローラの乱れ」を整えることが、糖尿病の新しい治療方法として注目されています。水溶性食物繊維というのは主にケイ素でできていますが、ケイ素は腸内フローラの乱れを整えて、間接的に糖代謝機能を上げることができるようです。

バナジウム

バナジウムはインスリン同様のはたらきをし、血糖値の上昇を抑えることができる元素です。バナジウム化合物は経口投与することが可能です。インスリン筋肉注射と比べると、患者に負担の少ない治療法です。20世紀後半から注目され、糖尿病治療薬として長年使用されてきました。糖尿病患者がバナジウム水を飲用する際は、かかりつけ医に相談してからにしましょう。

亜鉛

亜鉛はバナジウムに次いで、インスリン同様、血糖値上昇を抑制するはたらきが強い元素です。経口投与が可能であるため、バナジウムの化合物と同様、亜鉛の化合物も患者に負担の少ない治療法として知られています。こちらも20世紀後半から注目され、長く活用されてきました。現在血糖降下剤を使用して糖尿病治療をしている方は、亜鉛の使用に注意が必要です。

ナトリウム

健康な人と比較すると、糖尿病患者の毛髪や血清中のミネラル濃度は、ナトリウム、カリウム、カルシウムやモリブデン、水銀が多く、鉄、銅、亜鉛、クロム、マンガン、セレン、バナジウム、ニッケルが少なくなっています。数少ないナトリウムと血糖値に関する研究の結果によると、ナトリウムは単体で血糖値を下げる効果はないようです。

マグネシウム

インスリンがブドウ糖を細胞内に招き入れるためにはマグネシウムが必要です。不足するとインスリンの分泌能力が低下し、血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれなくなるため、血糖値が上がります。また、ブドウ糖からエネルギーを生成する際にもマグネシウムが関与しているため、不足するとインスリンとブドウ糖の量が増大します。過剰なブドウ糖は肥満の原因になり、また、過剰なインスリンは糖尿病を引き起こします。

カリウム

カリウムはインスリン分泌に欠かせないミネラル成分です。インスリンは、すい臓のβ細胞にカリウムが取り込まれることで分泌されています。また、糖尿病の患者の血液の中には、カリウムが多く含まれるようになります。これは、高血糖によって血が濃くなることで浸透圧がはたらき、細胞内から血液中にカリウムが流出することが原因です。

カルシウム

カルシウムには血糖値上昇を抑制する効果があります。中でも、ワイン生産の副産物のメゾ酒石酸(しゅうせきさん)カルシウムは、抗糖尿作用があるとされており、糖尿病治療薬になっています。糖尿病になると、カルシウムなどのミネラルが尿を通して多量に排泄されます。糖尿病によるミネラル代謝異常や、糖尿病治療食が原因と考えられています。

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