清涼飲料水の炭酸は無糖のものを

炭酸飲料と血糖値とのかかわり

炭酸飲料と、血糖値とのかかわりはどうなのでしょうか。当然、糖分が多いと少なくない影響をあることはいうまでもないでしょう。

炭酸水そのものに、血糖値の上昇をゆるやかにする機能はありません。ですが、炭酸の特性をうまく活用すれば、間接的に糖質制限につなげることは可能です。

炭酸とひと口でいっても、市販されているだけでも多くの種類の飲み物があります。果汁系のものから乳酸菌系のも、甘味系のもの、ミネラルウォーター系のものなど、実にさまざま。

血糖値が気になる場合は、無糖のものを選ぶようにしてください。糖分を含まない無糖の炭酸であれば、日常の水分補給に利用しても問題ありません。いまではいろいろなフレーバーの炭酸水も売られていますが、無糖であるかどうかチェックするといいでしょう。

炭酸水はふつうの水と同様、からだに吸収されますが、飲んだあと胃で炭酸ガスが発泡するという特性があります。そのため、ふつうの水を飲んだときよりも満腹感をえやすいという側面も。つまり、炭酸水を飲むことで食欲を抑制し、糖分摂取も控えることができるということです。

また、炭酸水は糖分の入った清涼飲料水に比べ、歯のエナメル質を溶かすリスクも低くなっています。ですから、「血糖値が気になるけど、炭酸も口にしたい」「清涼飲料水も飲みたい」という方には、炭酸水をおすすめします。

コーラは飲んでも大丈夫なの?

さて、炭酸というと、まずコーラを連想する方も少なくないのではないでしょうか。しかし、コーラは、血糖値を気にする方にとってはNGワード。

「飲み物のなかで一番コーラが好き」「血糖値を気にするようになって、コーラが飲めなくなったのがつらい」と、いう方もいらっしゃるでしょう。

当然のことながら、糖分の入った炭酸飲料は血糖値を上昇させます。コーラも例外ではありません。糖尿病患者やその予備軍、血糖値が気になる人にとって、コーラはとてもリスキーな飲み物。

それを裏付けるように、「日本における多目的コホート研究(JPHC研究)」でもコーラの糖尿病発症リスクについての研究結果が発表されています。

JPHC研究では、コーラや果汁100%未満の果汁飲料と100%果汁ジュース、野菜ジュースについて「ほとんど飲まない」「週に2回以下」「週に3~4回」「ほぼ毎日」の4つ分類して解析しました。結果は、「コーラや果汁飲料(100%未満)の清涼飲料水をよく飲む人」は、女性で「10年間の糖尿病発症において糖尿病の発症リスクが高い」という内容でした。

コーラをはじめとした加糖炭酸飲料が、糖尿病に罹患する危険性を高める理由は「、摂取エネルギーの過剰」「飲料に含まれる果糖(フルクトース)が内臓脂肪の蓄積やインスリン抵抗性を引き起こす」ことなどがあげられています。

ゼロカロリー飲料や低カロリー飲料は?

では、消費者の健康志向にあわせ、年を追うごとに増えている「ゼロカロリー」や「低カロリー」をうたった飲料はどうでしょう。

これも、「ゼロカロリーだから」や「低カロリーだから」というコピーに踊らされて、油断して飲むことは危険です。

実は、「ゼロカロリー」といっても、カロリーがまったくの「ゼロ」というわけではありません。法律では、100mlあたり5キロカロリー以下であれば「ゼロカロリー」と表記してもいいことになっています。たとえば、500ml入りの飲料なら、最大で25キロカロリーの糖質が配合されている可能性があるということ。

同様に、100mlあたり20キロカロリー以下であれば「低カロリー」と表記できるため、500ml中、100キロカロリーの糖質が入っていても、法的には問題ないということになります。

「血糖値は気になるけど、ゼロカロリー飲料だから問題ない」と、何も考えずに飲むことは、大変リスクをともなうのです。

TOP