ジュースの糖質と糖類の違いとは

糖質と糖類、どちらも炭水化物の一種

糖質と糖類。みなさんはこの違いがわかるでしょうか。「糖質も糖分もおなじでしょ?」と思われるかもしれません。

答えは、同じであって同じでない。と、いうと余計にわからなくなるでしょう。簡単にいえば、どちらも炭水化物の一種ではあるものの、糖質の一部が糖類、ということになります。

糖類にはさらに2つグループがあり、ぶどう糖や果糖などの「単糖類」と、砂糖・乳糖などの「二糖類」に分けられます。地球でたとえるならば、世界(炭水化物)→アジア(糖質)→日本(糖類)→東日本(単糖類)・西日本(二糖類)…といったところでしょうか。

糖類以外の糖質には、オリゴ糖・でんぷん・デキストリンなどの「三糖類以上の多糖類」、キシリトール・マルチトール・エリスリトールなどの糖アルコールなどがあります。

ちなみに、単糖類、二糖類、三糖類などの数字があらわしているのは、糖分子の数。糖分子が1つなら単糖類、2つなら二糖類ということです。

糖質ゼロ・糖類ゼロのジュース

ジュースのなかには、糖類ゼロと表記のある商品があります。こうした表記のある飲料は、前述のような「砂糖・ぶどう糖などの糖類は含まれていません」という意味です。

しかし、注意すべき点は「糖類ゼロ」であるという点。あくまでゼロなのは糖類だって、「糖質がゼロ」といはうたっていません。

たとえば、砂糖は不使用でも、多糖類や糖アルコール、でんぷんを使用している可能性があるのです。ですから、「糖類ゼロ」=血糖値に影響がない、というわけではないため、十分に成分表記を確認しておく必要があるでしょう。

ジュースを口にするのであれば「糖類ゼロ」ではなく、「糖質ゼロ」であるかどうかチェックしてください。

果汁100%ジュースの血糖値への影響

あるアメリカの調査会社の研究によると、ジュースのなかでも果物100%のものは、空腹時の血糖値や血中インスリン値などに影響をあたえなかったそうです。

アメリカの2型糖尿病患者への食事ガイドラインでは、果汁100%ジュース・4オンス(約118ml)は果物1サービング(1/2カップ)相当に該当し、「果物を補って食生活の向上に役立つ」と、記載。糖尿病患者の果汁100%ジュースの飲用を認めています。

もちろん、これは「果汁100%」であることが大前提。果汁90%や80%だと砂糖などの糖質で調整している可能性があるので、血糖値上昇のリスクをともないます。

生とジュースで違う研究結果

ですが、なかには果物は「ジュースではなく、そのまま丸ごと生のまま口にするほうがよい」という研究もあります。

ハーバード公衆衛生大学院による、18万7,382人を対象にした調査では、「糖質の少ない果物をよく食べる人は、糖尿病のリスクが低下する」という結果がでたそうです。週3回、ブルーベリーやブドウ、レーズン、リンゴ、西洋ナシなどを食べた人は、2型糖尿病を発症する割合がおよそ10%低くなったといいます。

それに対し、毎日フルーツジュースを飲用していた人は、糖尿病のリスクが21%上昇したという結果に。そして、1週間飲むフルーツジュースのうち3回分を果物に変えたところ、糖尿病リスクが7%減少したそうです。

このように、同じフルーツジュースの調査でも、血糖値・糖尿病への影響は違ってきます。これは、まだまだ研究段階であり、未解明の部分も多いということ。

果汁100%ジュースの影響が不安な方は、血糖値への心配のない天然水をおすすめします。ジュースはあくまで補助的、嗜好品としてたしなむようにしましょう。

【コラム】ペットボトル症候群って?

正式には「ソフトドリンクケトーシス」という名をもつ、ペットボトル症候群。多分に糖類を配合したソフトドリンクを飲み続けることによって、高血糖になってしまう症状です。

高血糖になることでのどの渇きを覚えやすくなり、またソフトドリンクを飲んでしまう、という悪循環に陥り、結果、極度の高血糖でケトーシス(糖質の代謝障害で体内のケトン体の増量が異常になり、臨床症状を起こす状態)になってしまいます。

糖尿病の前兆でもあるのですが、「単にのどが渇くだけ」という思い込みから高血糖であることに気づきにくい傾向にあります。とくに、夏場などはのどの渇きを暑さのせいにしてしまいがちで、要注意。

のどが渇いたときは、水やお茶、できればミネラルも補給できる天然水などで水分補給するように心がけましょう。

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