牛乳

牛乳の糖尿病へのはたらき

カナダのゲルフ大学とトロント大学のグループによると、「朝食時に牛乳を飲むだけで2型糖尿病が改善する可能性がある」との研究成果が発表されました。

これは、朝食のときに水飲んだときと、牛乳を飲んだときとを比較したもの。その結果、牛乳のほうが食後の血糖値の上昇を抑制するはたらきがあることがわかったのです。

元来、牛乳には脂肪分もふんだんに含まれていいて、飲み過ぎると逆にからだによくないイメージもありました。とくに、チーズやヨーグルトには脂肪や塩分、糖分が含有されている製品も多く、糖尿病患者や血糖値の高い人からすれば、乳製品は忌避するものだったかもしれません。

しかし。このように、最近では牛乳が糖尿病や血糖値の上昇抑制にはたらくことが知られてきています。

牛乳のタンパク質と炭水化物の関係

2型糖尿病に牛乳が効果的であるとされるのは、タンパク質と大いに関係があります。

牛乳には2種類のたんぱく質が含まれていますが、それが「カゼイン」と「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」。このうち、カゼインにはからだにゆっくり吸収される性質があり、反対にホエイプロテインは素早く吸収される性質があります。

この特性の異なる2つのタンパク質を摂取することで、食欲を増進させるグレリンの分泌を制限するとともに、食欲を抑制するホルモンの分泌を促進。つまり、炭水化物の吸収を遅くしつつ、少量の食事で満腹感をえられやすくなるのです。

また、ホエイプロテインにはインスリン分泌をうながすホルモンの一種、GLP-1の生成を促進するはたらきもあると考えられています。

心疾患・脳卒中のリスク低減効果も?

さらに、牛乳には心疾患や脳卒中の危険性を低減する効果もあるといわれています。

テキサス大学の研究グループは、「牛乳・ヨーグルトをはじめとした乳製品は、心疾患や脳卒中などのリスクを高めることはない。反対に、その危険性を減らしている。乳性品を摂ることで、脳卒中で死亡する危険性は42%低下する」という研究結果を発表。

栄養分も豊富なため、さまざまな病気の予防に役立つとしています。

半面、飽和脂肪酸も多分に含まれているのも事実。飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールや中性脂肪を増殖させるリスクもあります。そのため、牛乳には動脈硬化を進行させるリスクも。

このように、牛乳にはまだまだ知られていない効果や作用もあり、いい面もあればそうでない面もあります。もし、牛乳のリスク面が気になるのであれば、天然水をはじめとした危険性や副作用のない飲み物で血糖値・糖尿病対策をするといいでしょう。

とくに天然水はからだへの負担もなく、飲み過ぎたとしても副作用などの心配がなくおすすめです。

牛乳と糖尿病の研究成果

2型糖尿病は、肉などの動物性脂肪に含まれるコレステロールや飽和脂肪酸を過剰に摂取することで上昇することは、周知の事実でしょう。

ですが、動物性脂肪でも乳製品の脂肪分にかんしては、「糖尿病の予防に効果がある」という研究結果が、世界中の研究機関で発表されています。

たとえば、スウェーデンのルンド大学糖尿病センターのウルリーカ エリクソン氏らによる研究では、45歳から74歳までの2万6,930人の食事データを調査。高脂肪・低脂肪の乳製品をはじめ、食品別の摂取量を分類して糖尿病のリスクを比較しました。

そして、14年間におよぶ調査期間中、2型糖尿病を発症したのは2,860人。うち、高脂肪の発酵乳製品をたくさん摂取していたグループは、もっとも摂取が少なかったグループよりも、2型糖尿病の発症リスクが23%低かったのです。

また、オーストラリアのモナッシュ大学でも同類の研究をしています。伝統的に乳製品を食事でとる習慣がない地域であっても、

被験者は、19歳から64歳までの台湾人男女計3,810人。台湾には、牛乳やヨーグルトをはじめとした乳製品を食べる習慣があまり「りません。実際、被験者男性の約3割、女性の約2割%は乳製品を食べる習慣がありませんでした。

研究では、乳製品を週に3~7回食べていたグループで、死亡率が39%も減少したという結果に。毎日少しずつでも乳製品を摂取すると、心臓病や脳卒中の危険性が低くなると結論づけられました。

ですが、これらの調査はいずれも研究段階。牛乳の効果が解明されたわけではなく、疑問点も少なくありません。あまり過信せず、いまは参考程度にyとどめておくほうがいいかもしれません。

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