烏龍茶と血糖値との関係
年を重ねると、日々のこってりとした食事を摂ることによる高コレステロール、食べ過ぎ飲み過ぎによる血糖値の上昇など、健康にかんすることが気になり始めます。
「食べ過ぎた体に良いだろう」「血糖値もこれで安心」と食事をしながら烏龍茶を飲まれている方もいらっしゃると思います。烏龍茶は血糖値上昇や脂肪の吸収を抑え健康に良い飲み物というイメージを持たれている方も多いでしょう。
烏龍茶は、緑茶、紅茶と同じ種類の木からとれる葉が原料で、葉を乾燥・発酵させる際に半発酵させたものです。栄養成分として、ビタミン、ミネラル、カフェイン、タンニンなどが含まれています。さらに、脂肪の吸収を抑え脂肪分解を促すという烏龍茶ポリフェノールも含有。しかし、血糖値を下げるとされる成分は含まれていないようです。
烏龍茶をある程度の量を飲み続けると血糖値が上昇する
烏龍茶に血糖値を下げる効果はないようです。これまでの烏龍茶に対する考え方が大きく変わる研究結果が発表されています。それは、「毎日2~3杯長期間烏龍茶を飲むと血糖値が上昇した」という内容です。詳しく次の段落でみていきましょう。
烏龍茶を使った血糖値に関する実験はある?
林野泰明准教授ら京都大学医学研究科のグループが、烏龍茶と血糖値についての研究を行い発表しました。青・壮年者を対象に、生活習慣病予防のための長期介入によって行われた研究です。
<研究の内容>
- 研究対象者:研究に参加する企業の男性勤務者4,495人のうち「烏龍茶を飲まない人」「1日1杯飲む人」「1日2杯以上の飲む人」と3つの集団に分けました。(平均年齢38.3歳 BMI22.9mg/m2)
- 追跡期間:対象者に対して、飲食の習慣身体測定エネルギー消費量の評価を3~4年追跡しました。
- 研究結果:「1日2杯以上飲む人」の集団は、「1日1杯の飲む人」の集団に比べ64%の方が、血糖値の上昇がみられ、糖尿病になるリスクが高くなるという結果が出ました。
- 補足として、「烏龍茶を飲まない人」と「1日1杯飲む人」との結果は、ほぼ同じでした。
この研究結果から、烏龍茶を長期的に多量に飲み続けることは、血糖値の上昇につながる可能性が考えられます。体脂肪率を気にして、食事の時には烏龍茶が欠かせないという方は、健康診断での血糖値の数値を気にしてみても良いかもしれません。
烏龍茶を飲むときに気を付けたいこと
烏龍茶が血糖値におよぼす影響の研究報告から、烏龍茶は血糖値を下げる効果はないようです。糖尿病治療中の方、血糖値が高めで烏龍茶が好きでどうしても飲みたい方は、烏龍茶の摂取量を1日1杯以下にすることをおすすめします。
また、特定保健用食品と認定され、難消化性デキストリンを含む烏龍茶は、食後の血糖値の上昇をゆるやかにするようです。飲み物にかんする説明書きの成分表を確認し、納得されてから試してみるのがいいでしょう。