杜仲茶と血糖値との関係
杜仲とは、中国原産の落葉高木で、その樹皮は医薬品として扱われています。杜仲の若葉を煎じてお茶として飲んでいるのが、杜仲茶です。
杜仲茶にはリン・鉄・カルシウムのなどミネラル、ビタミンB1・B2などのビタミン類、ゲニポシド酸・アスベルロシドなどの成分が含まれています。このようにビタミン・ミネラルなどが多く含有し、さらにノンカフェインということもあり、健康飲料として1970年代から飲みに始められました。
杜仲茶にはさらに、血糖に関わるアディポネクチンというホルモンの分泌促す成分が含まれています。このアディポネクチンは、血糖値の急激な上昇を防ぎ、糖尿病を予防する効果があることが、研究で発表されています。
アディポネクチンが血糖値を下げる
杜仲茶にはビタミン・ミネラルなど体に良い成分が多く含まれています。その1つであるアスペルロシドが、血糖値に影響を及ぼすそうです。
このアスペルロシドが、アディポネクチンの分泌を増加させます。アディポネクチンはインスリンの働きを助け、血糖値の急な上昇を抑えおだやかにする働きをもつ成分です。
インスリンの効果が落ちている方でもアディポネクチンがインスリンを促し、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。血糖値を下げてくれる効果があります。
アディポネクチンを使った血糖値に関する研究
杜仲茶に含まれるアスペルロシドが、血糖値に作用するアディポネクチンの分泌を促します。このアディポネクチンについて国立がんセンターから「アディポネクチン遺伝子多型と2型糖尿病罹患との関連について」発表がありました。
この研究は、1990年と1993年に岩手県二戸ほか全国9保健所管内に住んでいて、糖尿病にかかってないことを確認した方を対象として、調開始から5年間に糖尿病を発症した417人と発症しなかった1197人をアディポネクチンと2型糖尿病(インスリンの分泌が減ることによるもの)リスクとの関係を調査。測定方法は血液採取によるものです。
結果、血液中アディポネクチン濃度が高いほど糖尿病リスクが低いことがわかりました。このことから、血中のアディポネクチン濃度が高いほど、2型糖尿病のリスクが低くなる可能性が示唆されています。
杜仲茶飲むときに気を付けたいこと
杜仲茶には血糖値をおだやかにする効果があるので、食前か食事中に飲むと、急激な血糖値上昇を防げるでしょう。また、効果を期待しすぎて大量に飲むと、おなかが緩くなることがあります。飲む量は、1日コップ5杯までにしましょう。
杜仲茶には、カリウム・カルシウムといったミネラル分が含まれています。心臓病・腎臓病によるカリウム制限のある方は、飲み始める前に、かかりつけ医にご相談することをおすすめします。
※2:国立がん研究センター,「アディポネクチン濃度、アディポネクチン遺伝子多型と2型糖尿病罹患との関連について」