糖尿病患者が食べてもいいもの悪いものリスト【乳製品】

乳製品

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乳製品は糖尿病に良いのか?

乳製品には脂肪分が多く含まれているので、生活習慣病の観点から見ると健康には良くないイメージがあるかもしれません。しかし、「乳製品には糖尿病の予防効果がある」という研究結果が発表されているのです。

ウイーンで開催された「第50回欧州糖尿病学学会」では、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどを食べる人は、まったく食べない人に比べて2型糖尿病の発症リスクが23%低下することを明らかにしました。

糖尿病のリスクを下げる作用は、乳製品に含まれる不飽和脂肪酸の一種、トランスパルミトレイン酸にあります。血液中のトランスパルミトレイン酸の濃度が高い人は総コレステロール値が低く、インスリンの抵抗性も抑えられるたえ、糖尿病の発症を下げる作用があると考えられていましたが、ヒトを対象にした研究でその効果が初めて確かめられました。そのほか、乳製品に含まれるカルシウムにも血糖値の上昇を緩やかにする効果があり、血糖コントロールにも役立つと言われています。

また、イギリスで行われた別の研究では、ヨーグルトや低脂肪のフレッシュチーズやカッテージチーズを食べていた人たちは、まったく食べていない人に比べて糖尿病の発症リスクが24%低かったという発表があります。このように、乳製品が持つ糖尿病予防効果は世界で立証されているのです。

ただし、乳製品は食べ過ぎると逆効果にもなり得るため、摂取量には注意が必要。推奨摂取量は、1日あたり牛乳200ml、ヨーグルト200g、チーズ40gだそうです。

また、肉の摂取量が多い人は、乳製品を摂ると糖尿病の発症リスクが上昇することも明らかになっています。肉類の摂取を控えながら乳製品を適度に摂取したいですね。

乳製品の食べていいもの
・悪いもの

ひと口に乳製品と言っても、さまざまな種類がありますし、脂肪分の少ないもの、多いものがあります。糖尿病対策の観点では、どのような乳製品が適しているのでしょうか?

食べて
いいもの

  • ・ヨーグルト
  • ・牛乳
  • ・チーズ

食べて
悪いもの

  • 特にありません。

なぜ食べていいのか?

ヨーグルト

ヨーグルトなどの乳製品に含まれている不飽和脂肪酸やカルシウムは食後の急激な血糖の上昇を防ぐ作用があります。筋肉量が増えると血中のブドウ糖が消費されるので、血糖コントロールにも大変有効です。

牛乳

牛乳には、血糖値の急上昇を抑える働きがあり、その効果は血糖降下薬の「ボグリボース」と言う薬と同等以上です。日本GI研究会の研究、発表によると、食事のときに牛乳を飲むと薬に匹敵するくらいに血糖値の上昇が抑制できるという結果が報告されています。

チーズ

カロリーが高いイメージのあるチーズは、糖尿病の敵と考えている方も多いかもしれません。しかし、チーズは糖質をほとんど含まない食べ物で、血糖値が上がりにくく、さらにほかの物とチーズを一緒に食べることで、血糖値の降下を助ける働きがあるという研究結果も明らかになっています。基本的に、どのチーズも糖質量が少なく、最も糖質が多いモッツァレラチーズも低糖質になりますが、できるだけ糖質を抑えたいのであれば、カマンベールチーズやブルーチーズを摂るのがおすすめです。

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