糖尿病患者が外食で食べてもいいもの・悪いもの

外食

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糖尿病患者は外食をしても良いのか?

食事療法がなによりも重要と言われる糖尿病。実は、食事療法で失敗しやすい原因のひとつが外食と言われています。アメリカ・ハーバード大学公衆衛生大学院の研究チームが10万人を対象に、26年間追跡して行った調査によると、外食が少ない人ほど糖尿病リスクが低いと判明しました。

詳細として、週に5~7回、家で夕食を食べている人は、週2回しか家で食べない人よりも、糖尿病のリスクが15%低いことが明らかになっています。

これは、家で食事をする人の方が、野菜や果物を多く摂取する傾向にあり、外食する人は糖分を多く含む清涼飲料水を摂ったり、カロリーや脂質の高い食べ物を食べたりする傾向にあることが背景だと考えられています。

糖尿病を患っている方は、できるだけ家で食事を摂り、外出先でも手作りのお弁当を食べるのが望ましいです。とはいえ、日本でも外食産業は盛んで、レストラン、ファーストフードが軒を連ね、弁当屋、コンビニエンスストアではいつでも調理済みの食事を購入できます。仕事の都合などで外食せざるをえない状況もあるでしょうし、外食に一切頼らないのは現実的ではありません。

外食をする際には、「野菜から食べる」「定食スタイルを選ぶ」「甘くない飲み物を飲む」「調味料や油からのエネルギー摂取に気を付ける」ことが大切なポイントとなります。外食が続いたあとは、野菜、きのこ、海藻類をたっぷり摂るように心掛け、間食やアルコールも控えるようにしましょう。さらに運動を取り入れるなど、少しでも体を動かす意識が大切です。

外食で食べていいもの
・悪いもの

外食を賢く利用し、楽しむためにもメニュー選びはとても大切です。以下では、外食で適しているもの、避けたいものをリストアップしました。

食べて
いいもの

  • ・サラダ
  • ・定食スタイルの食事
  • ・白米よりも玄米、白パンよりも全粒粉パンを選ぶ

食べて
悪いもの

  • ・天ぷらやフライなど、油が使われている料理
  • ・清涼飲料水など糖分が多い飲み物

なぜ食べていいのか?

サラダ

野菜には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維の多い食事を摂ると、栄養の吸収が穏やかになり、血糖値の上昇が抑えられます。外食する際には、主食前にサラダを食べると満腹感が得やすくなりますし、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。

定食スタイルの食事

丼ものやパスタ、寿司などは炭水化物の割合が多くなり、野菜が不足しがちです。しかし、定食であれば野菜、副菜、汁物も付いているため、バランスの取れた食事内容になります。丼やパスタ等を選ぶ際には、野菜サラダを追加するなど、野菜不足にならないよう心掛けましょう。

玄米・全粒粉パン

炭水化物は、できるだけ精製度の低いものがおすすめです。玄米や全粒粉は未加工の状態なので、体に良い栄養素がより豊富に含まれています。また、白米や白パンなどに比べて硬さがあるため、より少ない量で満腹感が得られやすいです。

なぜ食べていけないのか?

天ぷらやフライ

油を多く含む料理は、高カロリー、高脂質です。天ぷらやフライは素材の10%前後が油と言われ、エネルギーは20%以上を締めます。揚げ物は極力控えるようにしましょう。

清涼飲料水

外食では、食事の際に飲み物を一緒に注文することも多いですね。最近はドリンクバーが充実しているレストランも多く、つい甘い飲み物に目が行きがちです。しかし、ジュースやソーダ類などの甘い飲み物は糖分が多く、血糖値の上昇を招いてしまいます。お茶や水、ノンシュガーのコーヒーや紅茶を飲むようにしましょう。

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