糖尿病患者が食べてもいいもの悪いものリスト【肉類】

肉類

meat

肉類は糖尿病に良いのか?

現代日本の食卓では欠かせない存在となっている肉類。魚料理よりも肉料理の方が食卓に並ぶ回数が多い、といった家庭も多いのではないでしょうか。

私たちにとって身近な肉類は身近な食べ物のひとつですが、糖尿病患者や予備軍の方にとっては注意です。それは、牛肉や豚肉などの赤み肉には、糖尿病の発症リスクを高める可能性があるという結果が報告されているからです。

この研究はシンガポール在住のアジア人集団を対象に行われたもので、赤身肉に含まれるヘム鉄が原因となり、2型糖尿病のリスクを高める可能性が高いというデータが出ています。約11年に渡る調査によると、2型糖尿病の発症リスクは、赤身肉では23%も高かったことが分かっています。

この研究は同じアジア人集団の結果である為、日本人の予防対策にも通じるものだと考えられています。

肉類の食べていいもの
・悪いもの

肉類が糖尿病のリスクを高めるとはいえ、すべての肉類の摂取を諦める必要はありません。肉類でも部位によっては摂取できるものもあります。また、調理方法を蒸す・煮るなどすれば、余分な脂肪を取り除くこともできます。

食べて
いいもの

  • ・牛・豚・鶏のかた肉、ヒレ肉
  • ・鶏肉のむね肉、ささみ

食べて
悪いもの

  • ・牛肉や豚肉の赤身肉
  • ・牛・豚・鶏のレバー

なぜ食べていいのか?

見牛・豚・鶏のもも肉、かた肉、ヒレ肉

赤身肉には飽和脂肪酸が多く含まれており、インスリンの分泌に悪影響を及ぼすと考えられています。しかし、赤身肉の中でも比較的脂肪が少ない、もも、かた、ヒレなら適量であれば食べても大丈夫です。悪玉コレステロールや中性脂肪が増えるリスクが低いため、食事制限が必要な糖尿病患者にとっても摂取できます。

鶏肉のむね肉、ささみ

肉類の中で、最もお勧めとされているのが取鶏の胸肉、ささみ肉です。タンパク質が豊富に含まれており、脂肪も少ない部位です。インスリンの分泌を阻害するヘム鉄の心配がないので、糖尿病の人でも摂取できる肉類として推奨されています。

なぜ食べていけないのか?

牛肉や豚肉の赤身肉

赤身肉にはヘム鉄や飽和脂肪酸などが含まれていて、インスリンの感受性や分泌の低下をもたらし、糖尿病のリスクが上昇すると考えられています。肉類を完全に除去する必要はありませんが、赤身肉の摂取量を減らし、胸肉に置き換えるなどの工夫が必要です。

牛・豚・鶏のレバー牛・豚・鶏のレバー

赤身肉と同様、レバーにはヘム鉄が多く含まれている為、糖尿病患者屋予備軍の人にはおすすめできません。肉類のなかでもレバーは特にヘム鉄の含有量が多いため、より気を付ける必要があります。

糖尿病患者・糖尿病予備軍向け
レシピ集【肉類編】

とりの照り焼き

レシピの紹介

満足感を保ちながらヘルシーに仕上げるポイントは、鶏肉の皮を取り除くことです。鶏肉の皮を取り除くと、余分な脂を取らないで済みます。皮をこんがり焼くのが美味しいと感じる人もいるかもしれませんが、じっくり鶏肉に火を通して焼くことで十分な満足感が得られます。調味料がしっかり味がするので、ヘルシーすぎる印象はなく、鶏肉を焼く際のごま油もいい味を出しています。最後に彩りを兼ねてサニーレタスを添えることで、見た目にも鮮やかな仕上がりになります。

材料と分量

  • ・鶏もも肉 250g
  • ・ごま油 小さじ1
  • ・サニーレタス 40g
<調味料>
  • ・酒 大さじ2/3
  • ・みりん 大さじ1と1/3
  • ・しょうゆ 大さじ2/3
  • ・塩 0.4g

つくり方

  1. 鶏肉に数カ所切れ目を入れて厚さを均等にしたら、全ての調味料を合わせます。
  2. 中火で熱したフライパンにごま油を入れ、鶏肉をヘラで抑えながらこんがりするまで焼きます。
  3. 出てきた余分な油をペーパーで拭き取りながら鶏肉を裏返し、弱火で8分焼きます。鶏肉に火が通ったら、最初に合わせた調味料を絡めて完成です。
  4. 最後にサニーレタスと合わせて盛り付けます。

牛しゃぶ(おろしポン酢)

レシピの紹介

このレシピのポイントは大根おろしです。大根おろしには、消化を助ける酵素・ジアスターゼや、辛味成分・アリルイソチオシアネートを含んでいます。アリルイソチオシアネートは、時間が経つと空気中に蒸発してしまうため、おろしたての辛味を残した大根おろしを使用することでビタミンCなどの栄養素が失われにくくなります。また、牛もも肉は噛みごたえがあり、ごぼうを合わせることで必然的に噛む回数が増えていきます。じっくり噛む事で消化しやすくなり、満腹感も得られるため一石二鳥のレシピです。

材料と分量

  • ・牛もも肉しゃぶしゃぶ用 80g
  • ・ごぼう 40g
  • ・大根おろし 50g
  • ・万能ねぎ 10g
<調味料>
  • ・ポン酢 小さじ2

つくり方

  1. 牛もも肉は食べやすい大きさに切っておきます。
  2. ごぼうはピーラーを使用して薄くスライスした後、酢を入れた水にさらし、万能ねぎは小口切りにしておきます。
  3. この間にお湯を沸かし沸騰させておきましょう。
  4. 沸騰したお湯に目分量で酒を入れ、牛もも肉とごぼうをしゃぶしゃぶしお皿へ移し、大根おろしとねぎを添え、ポン酢をかければ完成です。

ぶたとナスのしょうが焼き

レシピの紹介

なすはカリウムが含まれる代表的な食品です。カリウムには塩分の元になるナトリウムを体外に排出してくれる機能があることから、塩分を抑える食事にはぴったりの食材と言えます。また9割が水分でできているためカロリーが低く、油を吸収しやすいので少量の油で十分な調理が可能です。油だけではなく、他の食材の旨味も吸収してくれるのは、アントシアニンと言われるなすの皮に含まれるポリフェノールの一種です。豚肉の脂も吸収してくれるため、身体に優しく美味しい1品です。

材料と分量

  • ・豚もも肉薄切り 80g
  • ・塩 少々
  • ・こしょう 少々
  • ・なす 80g (1本)
  • ・しし唐 6g (2本)
  • ・サラダ油 小さじ1
<調味料>
  • ・しょうがすりおろし 小さじ1
  • ・にんにくすりおろし 小さじ1
  • ・醤油 小さじ2/3
  • ・みりん 小さじ1
  • ・酒 小さじ1

つくり方

  1. 豚肉を半分に切り、塩・こしょうを振っておきます。
  2. なすは半分にし、6~8等分になるように切り分けます。
  3. しし唐は薄く輪切りになるように切り、調味料は全て合わせておきます。
  4. サラダ油を引いたフライパンで豚肉を炒め、火が通ったらなすを入れます。
  5. なすがしんなりしてきたら調味料を絡めた後お皿に移し、仕上げにしし唐を載せれば完成です。

イタリア風すきやき

レシピの紹介

見た目にも華やかなイタリア風すき焼きは、その名の通りすき焼きをイタリア風の味付けにアレンジしているレシピです。イタリアン風の味付けにすることで、すき焼き独特の甘みを伴ったこってりした味から、さっぱりとした味に仕上げることができます。トマトには抗酸化作用とβカロテンが豊富で、必要な栄養素を手軽に取ることができます。また一度火を通すことで、食欲が進む温度になっています。また、バジルには胃をおだやかに保つ働きがあるため、野菜たっぷりの食事でも十分に満足できるでしょう。

材料と分量

  • ・牛ももスライス 80g
  • ・トマト 1個
  • ・玉ねぎ 1/6個
  • ・バジル葉 5枚(5g)
  • ・にんにく(みじん切り) 小さじ1/2
  • ・唐辛子 少々
  • ・オリーブオイル 小さじ1
<調味料>
  • ・醤油 小さじ1
  • ・酒 小さじ1
  • ・みりん 小さじ1

つくり方

  1. トマトは8等分に、玉ねぎは1cm幅になるようにくし切りにします。牛肉は食べやすい大きさに切ります。
  2. 唐辛子は小口切りにし、調味料は全て合わせておきます。
  3. フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくを投入し香り付けをしたら、トマト、玉ねぎ、唐辛子を入れます。
  4. 玉ねぎに火が通ったら牛肉を入れ、合わせておいた調味料を入れます。
  5. 牛肉に火が通ったらバジルを入れ、さっと絡ませれば完成です。

バンバンジー

レシピの紹介

料理の仕方によってパサパサになってしまいがちな鶏むね肉を美味しく食べられる棒棒鶏(バンバンジー)。本レシピではごまだれの酸味をきかせて、余分な塩分はしっかりカット。胸肉は塩麹と油をまぶしているので、しっとりやわらかに仕上がります。きゅうりのしゃきしゃき感でさっぱり食べれるので、夏の暑い時期に特におすすめです。

材料と分量

  • ・鶏胸肉 200g
  • ・きゅうり 100g
  • ・長ねぎ 10g
  • ・しょうが 4g
<調味料A(鶏肉の下味用)>
  • ・日本酒 小さじ1弱
  • ・塩麹 小さじ1弱
  • ・サラダ油 小さじ3/4
<調味料B(たれ用)>
  • ・砂糖 小さじ1
  • ・酢 大さじ1/2強
  • ・しょうゆ 大さじ2/3
  • ・ごま油 小さじ1
  • ・白練りごま 大さじ2/3
  • ・ラー油 小さじ1/4

つくり方

  1. 鶏胸肉は皮を取って包丁で観音開きにした後、下味用の調味料Aをまぶして10分おきます。長ねぎはみじん切りに、しょうがはすりおろします。
  2. 蒸し器にペーパータオルを敷き1の鶏肉を入れます。中火で5分、強火で3分蒸します。蒸し終わったら、ペーパータオルで包み粗熱を取ります。
  3. たれ用の調味料B、長ねぎとしょうがを入れて混ぜ合わせておきます。
  4. 最後に器に盛り付けます。鶏胸肉(バンバンジー)を繊維に沿って細切りにしましょう。きゅうりを太めの細切りにして、鶏胸肉(バンバンジー)のうえに飾り付けたら、上からたれをかけて出来上がりです。

小松菜入りのハンバーグ

レシピの紹介

いつものハンバーグに小松菜を入れてみましょう。現在の東京・江戸川区でたくさん栽培されていたことから名前がつけられた小松菜。カルシウムや鉄分が豊富で栄養満点の緑黄色野菜です。ハひき肉を使った料理を作るときは、たねに野菜を混ぜ込むと咀しゃくが増えます。ヘルシーになりますし、しっかり噛むことで満足感もアップ!また、肉と野菜を置き換えることによって脂質を減らすことにもつながります。このレシピでは隠し味に味噌を入れています。コクと旨みが増すので美味しく仕上がりますよ。

材料と分量

  • ・豚ひき肉 50g
  • ・鶏ひき肉 30g
  • ・玉ねぎ 1/8個
  • ・小松菜 1株
  • ・卵 1/2個
  • ・味噌 小さじ1
  • ・塩 少々
  • ・オリーブオイル 小さじ1
  • ・プチトマト 2個(添え野菜)
  • <A>
  • ・ケチャップ 小さじ2
  • ・ウスターソース 小さじ2

つくり方

  1. 玉ねぎはみじん切りにします。小松菜は下茹でをして1cm長に切り、絞って水気をよく切っておきます。
  2. ボウルに豚ひき肉、鶏ひき肉、(1)を入れます。卵、味噌、塩を加えて良く混ぜ、空気を抜きつつ小判型に形を整えます。
  3. フライパンにオリーブオイルを引いて(2)を焼きます。焼きあがったら器に盛り付けます。ハンバーグを焼いた後そのままのフライパンに<A>を入れて火にかけソースを作ります。温まったらハンバーグにかけて完成です。

さっぱり梅のアスパラ肉巻き

レシピの紹介

いつものアスパラ肉巻きに梅を加えてさっぱりいただきましょう。このレシピでは練り梅を使っていますが、手に入らない場合は、梅干しの種をとって細かく叩いて日本酒で伸ばしたものを使っても美味しく作れます。梅の酸味であるクエン酸は疲労回復の効果が期待できます。豚はバラ肉なので、お肉自体の油でこんがり焼くことができ、フライパンに油をひく必要がないので、カロリーを抑えられます。

材料と分量

  • ・グリーンアスパラ 3本
  • ・練り梅 小さじ2
  • ・豚バラ肉薄切り 3枚
  • ・ごま油 小さじ1
  • ・塩 少々

つくり方

  1. アスパラは硬い部分の皮をピーラーでむいて、軽く塩茹でしておきます。
  2. 練り梅を3等分して豚バラ肉全体に薄く塗り、(1)のアスパラに巻きつけます。
  3. (2)をフライパンで焼いて、最後にこしょうを振ります。

和風ロールキャベツ

レシピの紹介

東京女子医科大学病院の管理栄養士、立松栄次先生が作成した糖尿病患者さん向けのおいしいレシピです。洋風のイメージがあるロールキャベツも和風にアレンジするとヘルシーに仕上がります。ロールキャベツはお肉と一緒に野菜(キャベツ)を大量に食べれる点がいいですね。キャベツは糖質もカロリーもほとんどないので、糖尿病患者に非常に適した野菜と言われています。

材料と分量

  • ・キャベツ 120g
  • ・牛豚合挽肉 40g
  • ・木綿豆腐 40g
  • ・長ねぎ 20g
  • ・人参 10g
  • ・干椎茸 2g
  • ・醤油(下味用) 5g
  • ・卵 10g
  • ・パン粉 3g
  • ・片栗粉 5g
  • ・こしょう 少々
  • ・貝割れ菜 5g
  • 調味料<A>
  • ・醤油 10g
  • ・みりん 5g
  • ・かつおだしの素 1g
  • ・水 50g
  • 調味料<B>
  • ・片栗粉 3g
  • ・水 10g

つくり方

  1. キャベツはていねいに1枚ずつはがし、芯の固い部分を平らにそぎ落し、熱湯でしんなりするまで茹でます。茹で上がったら、ざるにあげておきます。
  2. 野菜は水でよく洗い、それぞれ長ねぎは小口切り、人参は千切りにします。干椎茸は水でもどしてから千切りにします。
  3. 鍋に干椎茸のもどし汁と醤油(下味用)をいれます。沸騰したら(2)を加えて下煮をします。豆腐を手で崩して入れて、ヘラで焦げ付かないように混ぜます。水気が無くなったら火から外し冷ましておきます。
  4. ボールに牛豚合挽肉、冷めた(3)、卵、パン粉、片栗粉、こしょうをいれます。手でよく練りまぜ合わせます。
  5. (4)を(1)のキャベツでしっかり包みます。(A)をいれ、紙の落し蓋をかぶせ、やわらかくなるまで煮込みます。
  6. 出来上がった(5)のロールキャベツを食べやすい大きさに切り、器に盛り付けます。
  7. (6)に残った汁は(B)の水溶き片栗粉でとろみをつけ、ロールキャベツにかけます。最後に貝割れ菜を添えたら完成です。

定番の肉じゃが

レシピの紹介

家庭料理の定番と言えば肉じゃが。このレシピでは、脂肪の少ない牛もも肉を使い、材料を油で炒めず煮て作るので、低カロリー、低脂肪の肉じゃがに仕上がります。野菜もたっぷり取れてヘルシー、さらに安定のおいしさ。糖尿病の食事療法にぴったりのメニューです。

材料と分量

  • ・牛もも肉 100g
  • ・じゃがいも 150g
  • ・にんじん 40g
  • ・たまねぎ 100g
  • ・板こんにゃく 80g
  • ・グリンピース 10g
  • ・だし汁 1/2カップ
  • ・砂糖 大さじ1
  • ・酒 大さじ1
  • ・濃口しょうゆ 小さじ2

つくり方

  1. 牛肉は一口大に切ります。じゃがいもは4~5cm角に切り、水にさらしておきます。にんじんは乱切りに、たまねぎはくし形に切ります。板こんにゃくは2cm角にちぎって、下ゆでしておきます。
  2. 鍋にだし汁、調味料を煮立たせ、牛肉を入れてさらに煮ます。牛肉に火が通ったら一度取り出して、(1)を入れて煮ます。
  3. 材料がやわらかくなったら、牛肉を戻してさっと煮上げます。最後にゆでたグリンピースを散らして完成です。

ささみときのこのホイル焼き

レシピの紹介

ホイル焼き料理と言えば魚を材料に使うものが多いですが、このレシピではささみを使用します。ささみはタンパク質が多くヘルシーですし、安く手に入るので家計にも優しいですね。ささみがさっぱりしているので、バターや生クリームをのせてもおいしくなります。ホイル焼きは、レンジが汚れず、オーブントースターがあれば簡単にできます。

材料と分量

  • ・ささみ 4枚120g
  • ・生シイタケ 2枚20g
  • ・えのき 40g
  • ・人参 20g
  • ・とろけるチーズ 2枚36g
  • ・塩・胡椒 少々
  • ・バター 小1
  • ・パセリ 2g

つくり方

  1. アルミホイルを20センチ角に切って、サラダ油を薄く引きます。塩・胡椒したささみを置き、ささみの上にきのこをのせます。
  2. 上からとろけるチーズをのせて、中身を包むようにホイルを閉じます。
  3. 熱したフライパンまたはオーブントースターで7~10分焼いて完成です。

糖尿病と肉類の関連を示す
エビデンス紹介

糖尿病発症リスクの上昇に関する研究結果

糖尿病は誰もが発症する可能性があります。どのような場合に発症しやすいのか、興味深い研究データがあります。

肉の摂取量が発症に直結

糖尿病やがん、循環器疾患がない男女6万人を5年に渡り調査した結果、男性で最も肉類を多く摂取していた群の発症率が高いことが分かりました。摂取量が最も少ない群と比較しその差は1.36倍にも上り、肉の摂取量が糖尿病発症に直結していることが分かります。

加工肉は関係ない

肉の摂取量と言っても、結果に影響を及ぼしているのは赤味肉で、ベーコンやソーセージと言った加工肉は調査結果の対象に入っていません。しかしこれは1日の摂取量が赤味肉と比較して少ないためではないかという推察がされています。

関係しているのは男性のみ?

赤味肉と糖尿病の発症の関連は、男性のみにみられ女性には関連性が見られませんでした。この理由を調査チームは、1日あたりの肉の摂取量における男女差を挙げています。

また、糖尿病が発症する理由を赤味肉に多く含まれるヘム鉄や飽和脂肪酸ではないかとし、これらが、インスリン感受性やインスリン分泌に対し悪影響を与えているとしています。

赤肉が糖尿病発症リスクを高める理由

ヘム鉄による影響

肉にはヘム鉄と呼ばれるベータ細胞が含まれています。酸化ストレスや炎症を引き起こすパワーを持っており、インスリン感受性を低下させるという報告がなされています。

さまざまな成分の中でも特に鉄は強力な酸化作用を持っています。過剰に摂取してしまうと、膵臓のインスリンを分解するベータ細胞に影響を与えてしまうことから、糖尿病へのリスクが高まるとされています。

赤味肉に含まれる動物性のヘム鉄は体内への吸収が盛んなことから、日々の赤味肉の摂取量を検討する必要があるでしょう。

飽和脂肪酸・トランス脂肪酸による影響

そもそも赤味肉の摂取は、人々の健康に影響があることが示唆されています。その最たる理由は飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸の過剰摂取を行うと、悪LDLコレステロールや中性脂肪が増えることが確認されています。飽和脂肪酸単体であれば、直接的に糖尿病への影響はないとされる一方で、赤味肉に微量に含まれているトランス脂肪酸の摂取量が多くなると、糖尿病発症へのリスクが高まるとされています。

亜硫酸塩・硝酸塩による影響

ベーコンやソーセージと言った加工肉の保存用に使用される亜硫酸塩や硝酸塩は、胃の中もしくは食品加工中にアミノ酸との相互作用がおきます。その結果、膵臓のベータ細胞障害を引き起こすニトロソアミンに変換されるため、糖尿病の発症リスクが高まるとされています。これらは動物実験によって実際に確認されています。

そのほかの影響

赤味肉の摂取量と、体重増加には相関性があることが証明されています。赤味肉を過剰摂取することで、体重が増加し肥満になる傾向が見られます。肥満になると糖尿病への疾患リスクが高まることから、体重だけではなく糖尿病への影響が懸念されます。

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