食べ方のコツ
まとめ食べやだらだら食べは避け、朝食・昼食・夕食の3回を規則正しく摂ります。また、1回の食事量が多いと血糖値が上がりやすくなるため、1回ごとの食事の量は均等になるよう心掛けましょう。塩分はひかえ、食物繊維を多く含む食品をゆっくり噛んで食べるようにしてください。
食べ物に関しては、食物繊維をたくさんとりましょう。野菜、海藻、きのこにはたくさんの食物繊維がふくまれています。食物繊維には腸からの糖の吸収を遅らせる効果があり、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。
油や脂肪分を控えることも重要。調理する場合は不飽和脂肪酸を多く含む植物油(オリーブ油等)を使用します。肉類は、煮る、蒸す、焼くの調理方法で、余分な脂肪を取り除きましょう。
飲み物にも気を配る
食べ物よりも軽視されがちですが、実は非常に重要です。市販の飲み物には糖分過多な製品が多く、自覚がないまま糖分を過剰にとってしまうことにもなり兼ねません。
特に清涼飲料水には多くの糖類が含まれている場合があります。血糖値が高い人はできるだけ口にしないよう注意しましょう。意外に思うかもしれませんが、食べ物と比較して清涼飲料水にはたくさんの砂糖が含まれているのです。特に砂糖・ブドウ糖として知られる単糖類・二糖類は体への吸収が速く、血糖値を急激に上昇させる恐れがあります。ジュースやミルクティーのような甘い飲み物を口にする時は、原材料の中に砂糖のような糖類を使用せず、体内に吸収されにくい糖アルコール・オリゴ糖などの「糖質」が使用されている飲み物を選びましょう。
糖尿病患者のためのレシピ集
栄養バランスの取れた食事が大切とはいえ、どんな食事が適しているのか想像もつかない、という方も多いかと思います。そこで、血糖コントロールや高血糖の予防に有用な献立のレシピをまとめてみました。朝食、昼食、夕食別にレシピを紹介していますので、ぜひ普段の食事にご活用ください。
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たんぱく質も豊富で朝に卵を食べることで体内時計のスイッチを入れられます。
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高たんぱく低脂質で糖尿病患者にはうってつけの食品が鶏ささみ。 栄養豊富な卵も使用しているので、朝の体に栄養満点!
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肉・野菜・味噌と豚汁を食事メニューに加えるだけでも食事の栄養バランスが良くなります。
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キノコ類の繊維質は糖尿病患者にもおすすめ。 癖がなく飲みやすいポタージュスープでどうぞ。
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ヘルシーなカレーライスでしっかり単位計算をすれば大丈夫!
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お弁当のご飯にもちょこっとしたアレンジ加えてみませんか?
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今回紹介するレシピの中では高単位。 バランスを見ながら、主菜に使用して。
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意外と低カロリーなローストビーフ。パン食の人にはぴったりかも。
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食品交換表の利用
食品交換表とは、摂取カロリーを守らなければならない糖尿病の患者さんが楽に食事の献立を考えられるよう、栄養面で似た食品どうしをまとめた表です。同じ単位数の食品同士なら、取り替えて献立をたて直すことができます。
基本的に食品交換表は、一日に摂取したい栄養を単位としてまとめた「単位配分表」と組み合わせて使います。日本人の食べる量が80キロカロリーか、その倍数であることから、1単位は80キロカロリーと決められています。
この食品交換表は、クリニックの主治医の指示に従いながら使用します。主治医から「1日に何単位です」と指定され、単位に基づいて単位配分表から献立を決めていきます。
食品群は、全部で6つあります。例えば【表1】の主食には、穀類・芋類・糖質の多い野菜・種実がふくまれます。ごはん、パン、うどん、ジャガイモ、カボチャ、トウモロコシは、お互いに交換できる食べ物といえます。【表3】の主菜では、肉、魚、卵、大豆、大豆製品、チーズが、お互いに交換できるのです。
このように、食品交換表を使うと、毎日の食事に変化をつけて、楽しみながら、献立をたてることができます。
食品交換表のリスト
- 【表1】主食:ごはん・パン・麺類・いも類
- 【表2】果物:果物
- 【表3】主菜:肉類・卵・魚介類・大豆製品・チーズ
- 【表4】乳製品:牛乳・ヨーグルト
- 【表5】油脂類:油・アボガド・ベーコン
- 【表6】副菜:野菜類・きのこ・海藻・こんにゃく
- 【付録】調味料:みそ・砂糖
糖尿病を改善するなら
重要視すべきは“飲み物”
糖尿病の予防や管理で、ついおろそかになりがちなのが飲み物です。甘い飲み物が欲しくなったとき、市販の清涼飲料水や炭酸飲料につい手を伸ばしてしまいたくなりますが、清涼飲料水には、糖分が大量に含まれています。糖分を多く含むドリンクを大量に飲むと、血糖値が急上昇し、吐き気、意識障害などを引き起こす「ペットボトル症候群」という急性の糖尿病が起こる恐れがあります。どうしても甘い飲み物が飲みたい、甘い飲み物しか手元にないときには、グラスに取り分けて飲むか、糖分の吸収をより抑えるために、その都度水で2~3杯に薄めて飲むようにしましょう。
糖尿病の初期症状から見ても
分かる“飲み物”の重要性
また、糖尿病の初期症状として「のどの渇き」があります。これは、血液中にブドウ糖が溢れると、尿と共に体外へ排出しようとするため尿の量が増え、体の水分が多く失われてしまうからです。のどが渇くと、のど越しの良い炭酸飲料やスポーツドリンクをゴクゴクと飲みたくなりますが、糖分をたくさん含む飲み物は高血糖状態を招きます。悪循環を防ぐためにも、飲み物を見直しましょう。
糖尿病患者が常飲すべき
飲み物は?
基本は糖質ゼロ飲料!
飲み物は、カロリーがなく糖質が含まれていないものを選びましょう。緑茶に含まれるカテキンには、血糖値の上昇を抑える働きがあり、高血糖状態になるのを防ぐことが明らかになっています。
当然ですが水は糖質もカロリーもゼロなので全体的に安心できる飲み物。のどが渇いたと思ったらまずお水を飲む習慣をつけましょう。食事の際にコップ1杯の水を飲む習慣をつけると、食べ過ぎも防げます。また、配合されているミネラル(水素、アルカリイオン、バナジウム、ケイ素など)によっては糖尿病に効果のあるものもあります。
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水は “天然水”
水の中でおすすめなのは天然水です。天然水とは、特定の水源から採水されたミネラル成分を豊富に含む水のこと。カルシウムやマグネシウムの含有率により、硬水と軟水に分けられます。
ミネラル成分には胃腸の働きを改善する、血圧を調整するなど、身体全体のバランスを整える作用があり、中でもケイ素(シリカ)は血液の流れをスムーズにする効果が期待できます。最近では、糖尿病へのエビデンスがある天然水に注目が集まっています。
- 有効成分
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- ・カルシウム
- ・ナトリウム
- ・マグネシウム
- ・カリウム
- ・ケイ素(シリカ)
有効成分を含む水としては“温泉水”も挙げられます。なかでも炭酸水素塩泉はカルシウムやマグネシウムが豊富に含まれており、血糖値を安定させる作用があるといわれています。一方で、ミネラル成分が豊富すぎるため、大量に飲むと胃腸に負担がかかってお腹を壊してしまう可能性も。
そもそも飲泉は保健所から飲用が許可されていないことや、体質によっては症状が悪化することもあるので注意が必要です。
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お茶は“トクホのお茶”
基本的に、お茶であればどれも体に良いのでおすすめですが、より糖尿病に有用なお茶を選ぶのであれば、トクホのお茶がおすすめです。 トクホの中には、血糖コントロールに期待がもてる成分として「難消化性デキストリン」「グアバ葉ポリフェノール」「小麦アルブミン」「L-アラビノ-ス」「難消化性再結晶アミロース」の5つの成分が認められています。トクホのお茶にはいずれかの成分が含まれているので、より、健康効果が期待できるはずです。
- 有効成分
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- ・難消化性デキストリン(腸管壁から血液中への糖質の移行をおだやかにする)
- ・グァバ葉ポリフェノール(糖の消化吸収をおだやかにする)
緑茶には、カテキンと呼ばれるポリフェノールの一種が含まれています。前述の通り、カテキンには血糖値の上昇を抑える働きがあるため、高血糖を防ぐ効果が期待できます。また、この効果は調査でも明らかになっており、2006年に文部科学省が実施した調査によると、緑茶を1日6杯以上飲む人は、緑茶を飲むのが週1回以下の人に比べて、糖尿病の発症率が33%少ないと判明しました。
糖尿病の食生活の気を付け方
糖尿病の改善には、血糖コントロールが不可欠で、治療の要は食事療法となります。お菓子などの嗜好品は極力控えるべきですが、基本的に、絶対に食べなければいけない食品、食べてはいけない食品というものはありません。どんな食品でも摂り過ぎはよくないですし、食べるタイミングや間隔も大切になってきます。
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1日あたりの摂取カロリーの目安は、個人により異なります。カロリー計算表に従いカロリー摂取の基準を割り出し、医師から渡される食事指導票に従ってバランスの良い食事を摂っていきましょう。
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糖尿病の治療では、食品交換表という指標を活用します。食品交換表は、食品に多く含まれている栄養素を6つのグループに分け、さらに調味料のグループを加えたものです。この表をもとに、1回の食事でどの栄養素をどれだけの量で摂取するかを割り振ります。食品交換表を活用しながら適正な量を守り、栄養バランスのとれた食事をとることが大切です。
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朝食を抜いて1日2食にすると1食あたりの食事量が増えて急激に血糖値が上昇しますし、間食を摂ると、血糖値が下がる時間がないまま次の食事を迎えることになるため、血糖値がうまくコントロールできません。食べる量、栄養バランスも大切ですが、食事と食事の間隔も重要です。
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以前の糖尿病治療は、カロリー制限だけを行っていましたが、最近は、糖質制限をすることで薬の依存性が下がったり、インスリン注射が不要になったりするなど、糖質制限の効果も実証されています。糖質制限を行うことで、どんな効果が期待できるのか見ていきましょう。
知っておきたい
糖尿病の基礎知識
糖尿病は国民病とも言われるくらい、多くの人に発症する病気です。しかし、自覚症状が少なく、気付かないまま進行してしまう人も少なくありません。糖尿病とはどんな病気なのかを知り、早期発見・早期対策に努めましょう。
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糖尿病には、生活習慣病とされる2型糖尿病のほか、1型糖尿病、虹性糖尿病、妊娠糖尿病の大きく4つに分類され、それぞれ原因が異なります。タイプ別に発症の原因を解説しますので、ぜひご参考ください。
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糖尿病は一度発症すると、現代の医学では元の状態まで戻すことは不可能ですが、予備軍のうちならまだ間に合います。糖尿病の初期症状を知り、糖尿病予備軍の疑いがある場合は、早急に対処しましょう。
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1型糖尿病、2型糖尿病、二次性糖尿病、妊娠糖尿病のそれぞれの原因、症状、特徴、治療法をまとめました。
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糖尿病を診断する際には血液検査を行い、食事の影響によって変動する血糖値を見ていきます。診断時に基準となる数値や、数値を正常化させるためのポイントを解説します。
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3大治療法と言われる薬物療法、運動療法、食事療法のほか、第4の治療法として注目を浴びている温泉療法も含めてご紹介します。糖尿病の治療はあくまで食事、運動が基本で薬物療法は最後の砦です。手遅れにならない為にも、正しい食事や運動の取り方を知り、日々の生活の中で実践していきましょう。
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糖尿病予備軍や糖尿病初期には症状がほとんどありません。本格的な糖尿病になってしまうと、元のような健康的な状態に戻るのは非常に困難となります。しかし糖尿病予備軍であれば、元のような状態に戻れる可能性が高いのです。日頃から正しい生活習慣を心がけるのはもちろん、毎年の定期検診を受けることも重要です。
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糖尿病治療を行う上で最も重視されるのが、食事療法です。血糖コントロールによい食材を食べ続けるのではなく、毎食の献立におけるカロリーの管理が基本となります。また、治療では運動療法・薬物療法も並行して行われます。糖尿病が進行すると、時に命を落としかねない、重篤な合併症のリスクが高まる場合も。そうなる前に食べ物・飲み物に気を付け、進行を防ぐことが大切です。