糖尿病食べていいものリスト【イモ類】

イモ類

tubers

イモ類は糖尿病に良いのか?

サツマイモ・ジャガイモ・里芋などのイモ類は、植物の根や地下茎という部分にでんぷん質が蓄積されて肥大したものを言います。でんぷんは炭水化物の一種で、小腸でブドウ糖まで分解されてから吸収されます。ブドウ糖が血管内に入ると血糖値が上昇し、血糖値が上昇するとインスリンが分泌され、ブドウ糖が脂肪に変換されます。このようなことから、イモ類は食後の血糖値の上昇を引き起こすリスクのある食材だと言えます。
イモ類は野菜に分類されますが、糖質を多く含んでいる為、食事の前の摂取が推奨される青菜や海藻、キノコ類などとは違い、できるだけ食後の摂取が望ましいとされています。
とはいえ、イモ類は栄養価が高く、食物繊維も豊富に含んでいます。量さえ気を付ければ、血糖値にも良い働きをもたらしてくれますので、毎日の食事に上手く取り入れていきたいものです。
なかでもサツマイモは食物繊維が豊富に含まれていますし、栄養価の高い食べ物です。血糖値をコントロールする働きも確認されていますので、生活習慣病予防にも期待が持てます。サツマイモはじっくり加熱をするとでんぷんが血糖値を上げる麦芽糖に変化してしまう為、調理方法には注意が必要です。糖尿病の方が摂るのであれば、GI値がほとんど変動しない、ふかし芋で食べるのが良いでしょう。ただし、1日60gくらいを目安にし、食べ過ぎないようにしてください。

イモ類の食べていいもの
・悪いもの

炭水化物としてみなされるため、イモ類は食べ方や食べる量に注意が必要ですが、栄養価が高い為、摂り過ぎに注意すれば健康にも有意に働きます。適切な摂り方を知り、健康管理に役立てましょう。

食べて
いいもの

  • ・サツマイモ
  • ・サトイモ
  • ・ヤマイモ

食べて
悪いもの

  • ・ジャガイモ

なぜ食べていいのか?

サツマイモ

先述の通り、サツマイモは食物繊維やミネラルが豊富に含まれており、低GIに該当するため糖尿病の人でも安心して食べられます。食べすぎに注意しながら、バランス良く摂っていきましょう。

サトイモ

サトイモはイモ類のなかでも食物繊維を特に多く含んでいます。また、塩分を排泄する働きを持つカリウムが豊富で、カロリーも控えめ。健康にもとても良い食材です。ただし、こちらも食べ過ぎには注意しましょう。

ヤマイモ

特有のネバネバとしたぬめりは食物繊維の一種で、ムチンと呼ばれる成分です。ムチンは、腸の中でほかの食べ物を包みこみ、糖質の吸収を抑える働きを持っています。インスリンの分泌量を減らし、すい臓への負担を軽くしてくれます。加熱するとムチンが壊れてしまうため、生で摂るようにしましょう。

なぜ食べていけないのか?

ジャガイモ

ジャガイモにも食物繊維が豊富に含まれていますが、糖質が多くカロリーも高いため、血糖値の上昇が懸念されます。食べ過ぎると食後の血糖値が上昇したり、血糖値を下げるインスリンの値が上昇すると言われています。ジャガイモを週4回以上食べる女性は、月1回未満の女性に比べて高血圧の発症リスクが11%も高まる、との研究報告も発表されています。

糖尿病患者・糖尿病予備軍向け
レシピ集【イモ類編】

長いもと春菊のグラタン

レシピの紹介

グラタンはカロリーなどが高い食事なイメージがあるかもしれませんが、じゃがいもではなく長いもで応用することで、食物繊維を豊富に摂ることができるレシピになっています。粉チーズを振りかけてもカロリーは300キロカロリーと非常に低く、芝えびの風味がアクセントになって食べ応えがある味です。ホワイトソースを手作りすることで、健康的な味になります。

材料と分量

  • ・春菊50g
  • ・長いも50g
  • ・芝えび30g
  • ・白ワイン小さじ1(5g)
  • ・サラダ油小さじ1/2(2g)
  • ・粉チーズ小さじ1(2g)
  • ・ドライパセリ少々
<ソース>
  • ・牛乳3/4カップ(150ml)
  • ・小麦粉大さじ1+小さじ1(12g)
  • ・顆粒コンソメ小さじ1/3(1g)
  • ・こしょう少々

つくり方

  1. 根元を切り落とした春菊を、3cm程度にカットします。
  2. 長いもは皮をむいて、乱切りにしておきます。
  3. 油を入れて熱したフライパンで長いもを炒めた後、芝えびと春菊を加え、白ワインをかけて一緒に炒め、グラタン皿へ移します。
  4. ソースは小麦粉以外をボウルに入れ1分加熱した後、小麦粉を入れて混ぜさらに2分加熱します。
  5. グラタン皿の野菜へソースを移し、粉チーズをかけオーブントースターで10分焼き、ドライパセリを振りかければ完成です。

さつまいもの甘レモン煮

レシピの紹介

さつまいもの素材の甘さを活かしたシンプルなメニューです。さつまいもには食物繊維が豊富に含まれていることから、食事のおかずとしてはもちろん、おやつとして食べるにも最適なメニューになっています。また、ビタミンCが多く含まれており、手軽に摂取することが可能です。また、調理の過程で塩分を一切使用していないことから、過度な塩分摂取を心配する必要がありません。ほんのひとつまみ程度の砂糖だけで、さつまいも本来の甘さを活かし、しっかり甘みを感じるレシピになっています。

材料と分量

  • ・さつまいも100g
  • ・砂糖大さじ1/2(4.5g)
  • ・レモン(くし形切り)1/2枚分

つくり方

  1. 厚さ1cmの輪切りにしたさつまいもを水にさらします。アク抜きが目的のため、この時長時間さらしすぎないように注意しましょう。
  2. 鍋にさつまいもを移し、さつまいもが隠れるくらいまで水を入れます。
  3. そこに砂糖とレモンを加えてひと煮立ちさせます。
  4. 煮立ってきたら弱火にし、さつまいもに竹串が通るくらいまで煮たら完成です。さつまいもの柔らかさを確認した後に火を止めましょう。

ほくほくさつまいもの簡単おやつ

レシピの紹介

「ほくっ」「さくっ」という食感がやみつきになる、さつまいものおやつです。食物繊維やビタミンCが豊富なさつまいもに火を通し、ごま塩というシンプルな味付けをすることで、クッキーやせんべいといったお菓子代わりに食べることができます。敢えて甘いさつまいもに塩をかけることで、塩分がさつまいもの甘みをさらに引き立てます。煮るより調理が簡単なため、時間が無い日にもオススメのレシピです。

材料と分量

  • ・さつまいも3cm(70g)
  • ・塩少々
  • ・黒ごま少々

つくり方

  1. 厚さ1cmの輪切りにしたさつまいもを水にさらします。アク抜きが目的のため、この時長時間さらしすぎないように注意しましょう。
  2. 水から取り出したら軽く水気を切り、油を引かずにフライパンで焼いていきます。
  3. さつまいもに焼き色が付いたらひっくり返します。
  4. 火が通ったら器に盛り、塩と黒ゴマを掛ければ完成です。

長芋の梅肉和え

レシピの紹介

長いもには栄養が詰まっているだけでなく、粘り気がある独特の食感から満腹感を得やすい食材として知られています。火を通さないことで、さらに満腹感を得やすくなります。また、塩などを直接入れていないながらも、梅干しの塩分が味をしっかり付けてくれるため、他の調味料を使用しなくともしっかりとした味付けができます。大葉を添えることで彩りが生まれるだけでなく、さらにさっぱりとした味になります。

材料と分量

  • ・長いも100g
  • ・梅干し中1個
  • ・大葉1枚
<調味料>
  • ・濃口醤油小さじ1/3(2g)
  • ・みりん小さじ1/3(2g)
  • つくり方

    1. 長いもは拍子切りに、大葉は千切りにしておきます。
    2. 梅干しは種を取り、包丁でたたいてつぶしボウルに入れます。あとで混ざりやすいように、しっかりつぶしておきましょう。
    3. ここに濃口醬油とみりんを加え、よく混ぜ合わせます。
    4. 良く混ざったら長いもを入れ、味が馴染むように混ぜていきます。
    5. 最後に器に移し、大葉を添えたら完成です。

    さつまいもと糖尿病の関係

    食べ過ぎなければ問題ない

    さつまいもは糖分が多いため、糖尿病患者の人は食べられないと思っていませんか?実は摂取量に気を付ければ、問題無く食べることができます。同じ糖分であっても、さつまいもには豊富な食物繊維が含まれているため、急な血糖値の上昇を抑える効果があります。そのためさつまいもを食べすぎると糖尿病が悪化するということはないのです。

    極端な食事制限を行うのではなく、バランスの良い食事を心掛ければ、さつまいも摂取も問題ありません。

    間食にはさつまいもがおすすめ

    糖尿病の場合、1日3食という食事を厳密にコントロールしている方がほとんどです。しかし、食事の合間にお腹が空いてしまうこともあると思います。そんな時にオススメなのがさつまいもです。

    さつまいもの約8割は水分のため、少量で満腹感を得ることができます。また、100gあたり134キロカロリーと、食品の中でも100gあたりのカロリーが少ない食べ物です。しかしさつまいも1本を食べてしまうと摂取カロリー過多のため、重さに注意しながら食べる癖を付けましょう。

    さつまいもに含まれる栄養と効果

    さつまいもをはじめとしたいも類には、でんぷんが多く含まれています。でんぷんは腸の中でゆっくりと消化されるため、血糖値上昇を抑える働きがあります。また、食物繊維も多く含まれており、こちらも糖の吸収を穏やかにする効果があります。

    他にも体内のナトリウムを排出するカリウムや、ビタミンAもたっぷり含まれています。どちらの成分も糖尿病患者にとって必須の成分のため、効率的に摂取するという意味でも、さつまいもは食事の中に上手く取り込むと良いでしょう。

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