マテ茶は糖尿病を改善できるのか?

そもそも「マテ茶」とは

ブラジルやアルゼンチンなど、南米の更に南東に位置する国々で生産されているマテ茶は、よく飲まれている緑茶や紅茶などに比べてカフェインが少ないことが特徴のお茶です。

火山の溶岩流がもとになってできたテラロッサという赤土で育っていた茶葉が使われていて、ビタミンやミネラルから、鉄や亜鉛、マグネシウムに至るまで多くの栄養素を含んでいます。また、栄養素の種類もさることながらその含有量も多く、特にカルシウムに関してはウーロン茶の30倍ともいわれています。そのことからマテ茶は「飲むサラダ」と言われ、世界中で愛飲されています。

飲むだけでなく、ライスに混ぜて炊きこんだり、パウンドケーキに入れて焼いたりと、様々な方法で取り入れられているようですよ。

マテ茶と糖尿病の関係

マテ茶にはインスリンの働きを促進する効果があり、糖のエネルギー消費を促進します。血糖値を高め糖尿病を悪化させる原因の一つとして挙げられるのが「インスリン抵抗性」。糖をエネルギーに変換して血液中から体内への吸収を促すのがインスリンの役割ですが、糖尿病になるとインスリンが発する信号を受容体が十分に受け取れなくなり、うまく糖が吸収されなくなってしまいます。マテ茶はインスリンの信号を体に伝えやすくする効果があり、血液中に糖が残るのを防いでくれます。

また、糖尿病が悪化する原因と言われているものにAGE(終末糖化産物)という、タンパク質と糖が結びついた物質があります。老化の原因にもなる物質なのですが、近年の研究でマテ茶がこのAGEの生成を防ぐ効果があることがわかりました。

これらの効果に加えて肥満の防止効果や、ポリフェノールによる抗酸化作用により、体内状況を改善し、間接的にも糖尿病の改善を助けています。

そのほかマテ茶を飲むメリット

糖尿病にも有効とされているマテ茶ですが、他にも多くの効果が期待できます。

まず、マテ茶には生活習慣病の大きな要因となる肥満を抑える効果があります。具体的には、脂肪の吸収に重要な働きをする膵リパーゼの機能を阻害する効果があり、脂肪の吸収を防げます。食欲減退につながったり、代謝機能の向上につながる効果も期待でき、ダイエットにも注目のアイテム。そもそも体内に入る糖の量が減ったり、摂取しても代謝の向上によって消費が促されます。

また、抗酸化作用もあるため、肌の健康促進や動脈硬化の改善が期待できます。マテ茶には抗酸化作用を持つポリフェノールが緑茶やワインよりも多く含まれているため、老化の元になる活性酸素にアプローチ。悪玉コレステロールの濃度を下げる効果もあり、動脈硬化の抑制に役立ちます。認知症などの記憶障害に関しても効果が期待できるとか。具体的な研究はまだこれからですが、動物実験では認知能力が改善されたという結果があることから、今後さらなる研究の発展が期待できるでしょう。

マテ茶のデメリット・副作用

多数の栄養素を含み、様々な形で摂取されているマテ茶ですが、少ないとはいえカフェインを含むため、妊婦さんなどカフェインを避けた方が良いとされる方々は注意が必要です。ただ含まれるカフェインの量自体は少ないため、担当の先生によってはむしろ栄養摂取のために進める方もいて、考え方は様々のようです。迷ったらかかりつけの先生に相談したほうが賢明でしょう。

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