飲泉で得られる効果

どの温泉水を飲むと糖尿病へ効くのか?

ヨーロッパでは、温泉を飲む飲泉が医療行為の一部として行われている程、その高い健康効果が評価されています。日本では、温泉に含まれている化学成分の種類と含有量によって10種類に分類されており、それぞれ異なる効能を持っています。

糖尿病に対しては炭酸水素塩泉と硫黄泉が適していると言われていますが、温泉地に行って成分表に書かれていても飲用できるとは限りません。塩素系殺菌剤を入れて循環していたり、衛生上の問題で飲用に向かない温泉施設がほとんどです。

また飲用できたとしても泉質によって禁忌症があり、お腹を壊したり場合によってはかえって症状を悪化させてしまう危険性もあります。したがって飲泉する場合はしっかりとした知識をつけ、できれば医師と相談することをおすすめします。

飲みやすさを考えると”炭酸水素塩泉“

飲泉することの注意点を理解していることを前提に、糖尿病に効果があると期待される泉質の中でおすすめできるのは炭酸水素塩泉です。血糖値を安定させる作用があるとされ糖尿病にも適しています。
一方、硫黄泉も血糖コントロールの効果が期待できるとされていますが、タマゴの腐敗臭に似た独特の臭いがあり苦手な人も多くいます。飲泉に慣れている人ならよいですが、最初に硫黄泉から入ると続かない可能性があります。

二酸化炭素塩泉に含まれる糖尿病への有効成分

マグネシウム

インスリンが働き、細胞内にブドウ糖を取り込む際、マグネシウムが必要になります。そのため、マグネシウムが不足するとインスリンとブドウ糖の量が増大し、余ったブドウ糖が脂肪として蓄えられて肥満の原因になります。また、インスリンが過剰に分泌されることで、糖尿病が発症する恐れがあります。

カルシウム

すい臓の細胞を活性化させ、インスリンの分泌を促すサインを送る役割を果たしています。カルシウムが不足するとこのサインがうまく伝達されず、インスリンの分泌が阻害されてしまいます。

カルシウムは乳製品に多く含まれていますが、女性の場合は乳製品の摂取量が多い人は少ない人よりも糖尿病の発症リスクが約30%低いことが分かっています。

硫酸イオン(サルフェート)

ミネラルウォーターにも含まれている硫酸塩のことで、マグネシウムなどのミネラルと硫酸基が結合してできたものです。利尿作用や便通をよくする作用、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドなど、体内の毒素を排出するデトックス作用に優れています。また、体内でナトリウムと無水ついて糖尿病を防ぐ働きも持っています。

炭酸水素イオン

老化を招く元凶と言われる活性酸素の働きを抑制する物質として注目を集めています。炭酸水素イオンを含む水を飲むと、疲労物質の乳酸を中和して体外に排出しようとする働きが促進されます。その過程で、血液内に多くの酸素を取り込む為、血行や代謝が良くなり、血糖コントロールにも良い効果をもたらします。

浴用による効果に期待する方が安全

飲泉では、炭酸水素塩泉と硫黄泉で糖尿病への効果が期待できますが、浴用においては10種類すべての泉質で効果が期待できると言われています(日本温泉気候物理医学会より)。温泉を飲用して直接胃や腸から吸収する方が効果があると言えますが、リスクも高くなります。医師から処方される薬とは違って誰でも必ず効果が出るわけではありませんし、浴用による効果も期待できるならその方が安全です。

温泉が近くにある人は、
浴用・飲用の併用がベスト

近場に温泉がある人は、入浴・飲泉の両方を行っていきましょう。温泉がない人でも、最近は温泉成分の入った入浴剤や湯の花が販売されています。温泉水は無菌パッケージした状態でペットボトルとして販売されているものもあります。どちらもオンラインショップ等でも購入できるので、こうした商品をうまく活用するのもおすすめです。
温泉効果による糖尿病の改善を目指すのであれば入浴・飲泉の両方を行い、ある程度の期間が必要です。温泉地に近い人であればそれも可能ですが、遠隔地では継続して効果を得ることは難しいでしょう。

より安全性に重点をおいて考えるのであれば、温泉では浴用による効果だけに期待し飲用についてはエビデンスがしっかりした天然水を活用する方法もあります。手軽に始められる天然水もおすすめできます。

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