炭酸水素イオン(重炭酸イオン)とは?
炭酸水素イオン(重炭酸イオン)は、温泉水や自然水(ミネラルウォーター)などに含まれるアルカリ性のミネラルです。
ペニシリン作用が期待されるミネラルのひとつとして知られており、その効果が今後の糖尿病治療に役立つのではないかという考えをもと、さまざまな研究が進められています。
ほかにも、病気や老化の原因のひとつとも言える活性炭素に対して抗酸化作用があることが判明しており、健康目的だけではなく美容目的でも注目されています。
炭酸水素イオン(重炭酸イオン)と糖尿病の関係性
炭酸水素イオン(重炭酸イオン)と糖尿病との直接的な関係性は、今現在では明らかにされていません。
しかし、人間の体の中に貯蓄された炭酸水素イオンの量が不足したとき「代謝性アルカローシス」「代謝性アシドーシス」という症状が出ることから、炭酸水素イオンと糖尿病には何らかの関係があると推測されています。
炭酸水素イオンの不足によって原因で起きる「代謝性アルカローシス」「代謝性アシドーシス」について分かりやすくまとめたので、チェックしていきましょう。
代謝性アルカローシス
代謝性アルカローシスは、体内でインスリンが不足したときやダイエットや絶食などで飢餓状態になったときに発症します。これは、血液中の重炭酸イオンが多くなったことでインスリン不足が引き起こされ、ケトン体が体内に貯蓄されてしまうのが原因です。
ほかにも、腎機能が低下しているときに利尿薬を用いたことで「低カリウム血症」を起こしたり、重炭酸イオンの体外排出機能が低下して水素イオンが体内で不足したときにも、この代謝性アルカローシスが発症します。
アルカローシスには代謝性アルカローシスのほかに、肺から二酸化炭素が過剰に排出されて低血症になったことで発症する「呼吸性アルカローシス」もあります。呼吸性アルカローシスの場合は、不整脈や筋力低下などの症状が特徴的です。
代謝性アシドーシス
代謝性アシドーシスは血液に重炭酸イオンが過剰喪失したことにより、体内の酸の過剰蓄積、体内の酸の排出が減少、HCO3-喪失などが生じた結果、発症します。
軽度の段階ではほとんど症状はありませんが、重度化すると悪心や嘔吐、過呼吸、嗜眠などの症状が出始め、さらに重篤化すると酸血症が出現し、症状も悪化します。
代謝性アシドーシスの代表的な疾病には以下の3つが挙げられます。
- ケアドーシス
- 乳酸アシドーシス
- 尿毒症
ケアドーシスには、1型糖尿病の合併症「糖尿病性ケトアシドーシス」、慢性アルコール中毒「アルコール性ケトアシドーシス」のほか、絶食などで起きる低栄養「飢餓」があります。
乳酸アシドーシスはさまざまな原因で血中の乳酸が増加して代謝性アシドーシスを起こし、食欲不振や嘔気などの症状が出始めて、重篤化すると過呼吸や昏睡など、予後不良の症状をもたらします。
また、尿毒症とは腎臓機能が低下した状態を言います。
炭酸水素イオンとのバランスが大事
さまざまな研究結果やデータから炭酸水素イオン(重炭酸イオン)は、過剰摂取も不足も良くないことが分かります。
とくに糖尿病などの持病がある方は、摂取量を間違えると病気が重篤化するおそれもあり、一概に炭酸水素イオンの摂取が体に良いとは言えません。摂取の際にはバランスをしてください。
※1:公立大学法人 大阪市立大学医学部附属病院 中央臨床検査部 安保浩二「初心者でもわかる血液ガスの見方・読み方」


