カルシウムと血糖値の関係
カルシウムには、血糖値の上昇を抑制する効果があるようです。
中でも、ワイン生産の副産物であるメゾ酒石酸(しゅうせきさん)カルシウムは、抗糖尿作用が有るとされている成分で、糖尿病治療薬にもなっています。
糖尿病の患者さんの毛髪や血清中のミネラル濃度は、健康な人と比べて、ナトリウム、カリウム、カルシウム、モリブデン、水銀が多く、鉄、銅、亜鉛、クロム、マンガン、セレン、バナジウム、ニッケルが少なくなります。
糖尿病では、カルシウムなどのミネラルが尿中から多量に排泄されることが知られています。糖尿病のミネラル代謝異常や糖尿病治療食が原因と考えられます。
カルシウムと血糖値についての研究はある?
海水から得られるMCM(マリン、カルシウム、ミネラル)が、糖尿病に効果があるという民間伝承が本当かどうかを確かめた研究報告があります。MCMは、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウムのイオンの混合物です。
マウスやラットにMCMの水溶液を飲み水として与え、血糖に及ぼす影響を調べたところ、急激な高血糖に対しては効果がみられませんでしたが、徐々に血糖値が上昇するような場合には、MCMが血糖値を抑制するという結果が得られました。
また、別の研究では、メゾ酒石酸カルシウムには、抗糖尿作用があることが報告されています。このメゾ酒石酸カルシウムは、基礎実験、臨床実験が行われ、糖尿病治療薬として認められたという報告がありました。
糖尿病の患者さんを対象にして、血清ミネラルレベルに及ぼす糖尿病治療の影響を、とくに食事療法の観点から検討した研究報告があります。
実験方法としては、入院による治療前後の血清ミネラルを測定し、糖尿病治療食について、ミネラルと食物繊維含有量の測定も行っています。その結果、糖尿病治療食をとることで、血清カルシウムの量が低下したということです。その理由のひとつに、血清総タンパクが治療後に低下したことから、タンパク結合カルシウムの減少によるとする見方もできるとのことです。
カルシウムは摂った方が良いの?
カルシウムや乳製品の摂取量と糖尿病リスクの関連性を調べた研究もあります。それによれば、よく乳製品を摂る女性はそうでない女性に比べてリスクが30%減であることがわかりました。しかし、カルシウムの量との関係は、統計学的には関連性は無いという結果でしたが、実験では24%の差がでたそうです。
面白いことに、これは女性のみの結果で、男性は乳製品やカルシウムの量と糖尿病リスクについての関連性は認められませんでした。
しかし、併せてビタミンDを摂るようにすると、男女それぞれでリスク減になるという結果がでています。
つまり、カルシウムを意識して摂取するときは、ビタミンDを含む食品や飲料と一緒に摂ることが大切ということでしょう。
※2:J-STAGE|昭和医学会雑誌, 1961年, 21巻6号, P.691-701「メゾ酒石酸並びにメゾ酒石酸ナトリウムの抗糖尿作用に関する研究」
※3:J-STAGE|昭和医学会雑誌, 1961年, 21巻6号, P.691-701,「血清ミネラルレベルに及ぼす糖尿病治療食の影響」
※4:国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ,「カルシウムとビタミンD摂取量と糖尿病との関連について」


