カリウム

カリウムと血糖値の関係

カリウムは、インスリン分泌に欠かすことができないミネラル成分です。

インスリン分泌のしくみには、カリウムが関係しています。インスリンを作るすい臓のβ細胞にカリウムが取り込まれることで、インスリンが分泌されるのです。

また、糖尿病の患者さんでは、血液中のカリウム量が多くなります。高血糖により血が濃くなると浸透圧がはたらき、細胞内から血液中にカリウムが流出するからです。

インスリン分泌のしくみ

インスリンはすい臓のβ細胞で作られます。β細胞にはインスリン受容体が存在しないので、インスリンがなくてもブドウ糖を取り込むことができます。

取り込まれたブドウ糖は、解糖系と呼ばれる糖の分解回路で、ピルビン酸と呼ばれる物質にまで分解。その過程で、ATPというエネルギーを産生します。

すい臓のβ細胞では、産生されたATPの濃度が高くなると、そのATPを利用し、細胞膜にあるカリウムATPチャネルが閉じられます。カリウムATPチャネルが閉じると、今度は細胞膜の電位が脱分極し、カルシウムチャネルが開き、カルシウムが取り入れられます。

細胞内のカルシウム濃度が上がることが刺激となって、インスリン前駆物質であるプロインスリンが分泌され、インスリンとなり、細胞の外へ放出されます。

簡単にまとめると、ブドウ糖を取り込んだβ細胞にエネルギーが溜まることで、インスリンが分泌されるということです。分泌する経路に、カリウムやカルシウムが必要になってきます。

スルホニル尿素薬とは?

スルホニル尿素薬は、経口血糖降下薬として広く用いられている薬です。糖尿病内服治療薬の中では、最も多く使用されていて、血糖値を下げる作用が最も大きい薬です。

カリウムATPチャネルは、このスルホニル尿素薬の作用部位です。

スルホニル尿素薬は、インスリンをつくるすい臓のβ細胞にはたらき、インスリンの分泌を促進させます。また、末梢の筋肉でのブドウ糖利用を高め、肝臓からブドウ糖が放出されるのを抑制するはたらきもあるとされています。

インスリンが分泌される仕組みの中で、カリウムが果たす役割を、この薬が促進させ、最も強く血糖値を降下させる作用を実現しているのです。

エビデンスの参照先 ※1 J-STAGE|糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨,「インスリン分泌調節機構」
※2 J-STAGE|Vitamins(Japan), 80(11), 549−554(2006),「バナジウムや亜鉛錯体による実験糖尿病療への試み」【PDF】

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