マグネシウム

マグネシウムと血糖値の関係

インスリンがブドウ糖を細胞内に招き入れるのに必要な化学反応には、マグネシウムが必要です。マグネシウムが不足すると、インスリンの分泌能力が低下します。インスリンの分泌能力が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれず、血糖値が上がることになります。

細胞内では、ブドウ糖からのエネルギー生成にも、マグネシウムが関与しています。そのため、マグネシウムが不足すると、インスリンとブドウ糖の量がともに増大。過剰なブドウ糖が脂肪として蓄えられ、肥満の原因となります。また、インスリンが過剰になると糖尿病に移行してしまうでしょう。

マグネシウムと血糖値に関する研究はある?

インスリンの分泌の量やタイミング、感受性の低下が見られるのがインスリン非依存性の糖尿病です。その、非依存性糖尿病患者の血糖コントロールがうまくいかない例では、血清と赤血球のマグネシウムが減少しているといいます。特に、糖尿病網膜症や他の糖尿病合併症の例で顕著なようです。

ブドウ糖負荷テストで血糖値が高いとき、血清マグネシウム量は低い値となりました。このように、インスリン非依存性の糖尿病患者においては、血清マグネシウム量が少なくなる傾向を示すことが報告されています。双方に関連性がみられるということです。

ブラジルの臨床試験では、糖尿病患者128人が、酸化マグネシウム(マグネシウム元素300mgまたは600mg)を含有するサプリメントを30日間摂取しました。その後、血漿マグネシウム値、細胞マグネシウム値、尿中マグネシウム値を測定したところ、マグネシウム元素600mgを摂取した患者では値が増加し、血漿コントロールが改善しました。

メキシコで実施された別の小規模臨床試験では、2型糖尿病と低マグネシウム血漿を併発している患者が塩化マグネシウムの液体サプリメント(マグネシウム元素300mg)を16週間摂取したところ、血糖値が低下し、また血清マグネシウム値が正常化しました。

また、メゾ酒石酸マグネシウムには、抗糖尿作用があるという研究報告があります。

対照的に、インスリン投与を受けている2型糖尿病患者50人がアスパラギン酸マグネシウムサプリメント(マグネシウム元素369mg)を3ヶ月間摂取した場合には、血糖コントロールに対する効果は認められませんでした。

インスリン量が足りている場合は、マグネシウムを摂取してもあまり効果はないようですね。

以上のことから、マグネシウムが不足すると、インスリンの分泌が減り、血糖値を上げるということがいえそうです。

エビデンスの参照先 ※1:藏前尚子 ICDフェロー 大阪府開業, JICD, 2015, Vol. 46, No. 1, P.56-61,「2型糖尿病におけるマグネシウムの役割」【PDF】
※2:J-STAGE|昭和医学会雑誌 1961年 21巻6号 691-701,「メゾ酒石酸並びにメゾ酒石酸ナトリウムの抗糖尿作用に関する研究」
※3:J-STAGE|日本生理人類学会誌vol.5, No.2, p.63-66, 2000年5月,「血清マグネシウム量と生活習慣病発症に関する患者・対照研究」

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