ナトリウム

ナトリウムと血糖値の関係

健康な人と比べると、糖尿病の患者さんの毛髪や血清中のミネラル濃度は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、モリブデン、水銀が多く、鉄、銅、亜鉛、クロム、マンガン、セレン、バナジウム、ニッケルが少なくなります。

数少ない、ナトリウムと血糖値に関する研究をみると、ナトリウムが血糖値を下げるということはなさそうです。

ナトリウムと血糖値に関する研究はある?

東京都立衛生研究所は、メゾ酒石酸(しゅせきさん)カルシウムやメゾ酒石酸マグネシウムが抗糖尿病作用をもつことから、メゾ酒石酸ナトリウムについても、抗糖尿作用があるか実験を行いました。

その結果、メゾ酒石酸自体にも少し抗糖尿病作用が認められていますが、ナトリウムと合成した、メゾ酒石酸ナトリウムには、抗糖尿病作用は認められませんでした。

国立花巻温泉病院は、硫黄泉の血糖に及ぼす影響について、調べています。硫黄泉には、血糖降下作用があると古くから言われており、入浴や飲用により食後血糖の降下作用があるとした研究報告がいくつかあります。

この病院の温泉分析表では、硫酸ナトリウムが最も多く含まれています。しかし、この病院が行なった実験では、空腹時血糖の場合は、温泉飲用の効果は認められましたが、食後血糖の場合、効果は認められませんでした。

川湯温泉病院は、硫黄泉飲泉の糖尿病に対する効果を科学的に証明するため、北海道川上郡弟子屈町にある、川湯温泉園ホテルの飲用硫黄泉を使用し、硫黄泉を飲むことで血糖値に及ぼす影響について調べました。

川湯硫黄泉の泉質は、酸性含硫黄-鉄(Ⅱ)-ナトリウム-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)で、ナトリウムを含んでいます。

1回飲泉試験と長期飲泉試験で、それぞれ硫黄泉を飲んだ後の血糖値について調べた結果、1回の飲泉で血糖値の上昇が抑制され、長期の飲泉でも血糖コントロールの有意な改善がみられました。しかし、それは温泉に含まれるバナジウムや亜鉛の効果であることが考えられるようです。

以上のことから、ナトリウム単体には、血糖値を下げる効果があるとはいえないようです。

エビデンスの参照先 ※1:J-STAGE|昭和医学会雑誌 1961年 21巻6号 691-701,「メゾ酒石酸並びにメゾ酒石酸ナトリウムの抗糖尿作用に関する研究」
※2:J-STAGE|昭和医学会雑誌, 増田安政(国立花巻温泉病院), 医療 第23巻 第4号, P.90-93, 1969年4月,「硫黄泉の血糖に及ぼす影響」
※3:J-STAGE|日温気物医誌 第67巻2号2004年2月, P.59-70,「川湯硫黄泉飲泉による血糖値に及ぼす影響」

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