バナジウムと血糖値の関係
1889年、フランスの内科医がバナジウム化合物を糖尿病の患者に経口投与した結果、尿中の糖の量が低下したと報告しました。
バナジウムは、インスリン様のはたらきをもち、血糖値の上昇を抑えることができる元素として知られています。
バナジウム化合物は、経口投与が可能です。インスリン筋肉注射に比べて、患者に負担の少ない治療法として、20世紀後半から注目され、糖尿病治療薬として使用されてきました。
バナジウムと血糖値に関する研究はある?
精神的・肉体的苦痛を伴うインスリン筋肉注射・副作用の多い合成血糖降下剤に代わる、糖尿病の治療薬の開発のため、京都薬科大学は、インスリン様のはたらきをもつ、バナジウムに着目。経口投与が可能なバナジウム化合物を開発してきました。
バナジウムを金属錯体(さくたい)の形の化合物にすることで、経口投与を可能にしました。同大学では、より効果の高い金属錯体を発見することを目指し、次世代型のバナジウム化合物の開発に取り組んでいます。
大塚製薬株式会社の実験では、市販のミネラルウォーターである、バナシウム含有水の飲用と、バナジウム含有水で炊いたご飯を健康な成人女性に摂取してもらい、脂肪の多い食事をした後の血清インスリン値、血糖値を測定しました。
その結果、血清インスリン値、血糖値の低下がみられ、バナジウム含有水が、細胞内への糖の取り込みを促進させ、インスリン分泌を抑えた可能性があることがわかりました。
以上のことから、バナジウムには、インスリン様(インスリンに似た)の作用があり、血糖値やインスリン値の上昇を抑える効果があることが分かります。
バナジウムはどのように活用されている?
バナジウムは、インスリン様のはたらきをもち、血糖値やインスリン値を下げる作用があります。そのことに着目し、経口投与が可能なバナジウム化合物をつくり、血糖値やインスリン値の上昇を抑える薬として、糖尿病の治療に活用されています。
気を付けたいのは、糖尿病の診断をされている方です。バナジウムにはインスリン様作用があるため、治療の内容と合わない場合があります。身近なものにバナジウム水がありますが、飲用する前にはかかりつけ医に相談して利用してくださいね。
※2 J-STAGE|Vitamins(Japan), 80(11), 549−554(2006),「バナジウムや亜鉛錯体による実験糖尿病療への試み」【PDF】


