亜鉛と血糖値の関係
亜鉛は、バナジウムに次いで、インスリンと同じように、血糖値の上昇を抑制するはたらきが強い元素です。
経口投与が可能な、亜鉛やバナジウムの化合物が、患者に負担の少ない治療法として、20世紀後半から注目され、活用されてきました。
亜鉛と血糖値に関する研究はある?
京都薬科大学は、亜鉛化合物をⅡ型糖尿病のラットに投与する実験を行いました。その結果、翌日から徐々にラットの血糖値が低下し始め、1週間後にはほぼ正常の血糖値に戻りました。
亜鉛化合物を2週間投与したのち、ラットに高濃度のグルコースを与え、経時的に血糖値を測定したところ、耐糖能も改善。さらに、血糖低下だけではなく、糖化ヘモグロビン量も低下し、糖尿病は治癒していることが分かりました。
大阪市立大学の研究では、ミネラルとビタミンの相乗効果を期待して、亜鉛と水溶性ビタミンを合成して亜鉛化合物をつくりました。亜鉛化合物は、インスリン様の作用を有しているほか、糖類の分解を抑制し、高血糖を抑える作用をもつことも発見しました。
同大学では、患者の負担が大きいインスリン筋肉注射や、副作用の多い合成血糖降下剤に代わる、糖尿病の治療薬として、亜鉛化合物を開発してきました。今後もさらに効果の高い金属錯体を発見することを目指し、次世代型の糖尿病治療薬の開発に取り組んでいます。
以上のことから、亜鉛には、インスリン様の作用があり、血糖値を下げる効果があるといえます。
亜鉛はどのように活用されている?
亜鉛は、バナジウムに次いで、インスリン様の作用が強く、血糖値やインスリン値の上昇を抑えるはたらきがあります。その効果に着目して、亜鉛を、経口投与が可能な、安定した亜鉛化合物にすることで、血糖値やインスリン値を下げる薬として、糖尿病の治療に活用されています。
インスリン用作用があるため、現在血糖降下剤を用いて糖尿病治療にあたっている方は、亜鉛の使用には注意しましょう。サプリメントや健康ドリンクなどで亜鉛を摂取するときは、医師に相談し使用量を見極めてくださいね。
※2 J-STAGE|Vitamins(Japan), 80(11), 549−554(2006),「バナジウムや亜鉛錯体による実験糖尿病療への試み」【PDF】


