コーヒー

缶コーヒーがダメなワケとは

糖尿病患者や血糖値が高い人のなかには、「缶コーヒーは飲んじゃダメ」といわれたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その理由は、缶コーヒーにはたっぷりと糖質が含まれているからにほかなりません。缶コーヒーに配合されているブドウ糖や果糖などの単糖類は、米やパンなどの多糖類に比べて吸収が早く、瞬時にして血糖値を上昇させてしまいます。

しかし、急上昇した血糖値は高いままというわけではなく、今度は急降下。乱高下を繰り返すうちに膵臓に負荷がかかり、やがてインスリンの調整ができなくなって糖尿病を罹患してしまうわけです。

一般的に、缶コーヒー1本(150g)には角砂糖4個分の糖分が入っているといわれています。これは質量にして、およそ15.6g相当。発泡酒で12.6g/350g、ビールで10.9g/350g、コーラでさえ11.4g/100gといわれていますから、いかに缶コーヒーの糖分が高いのかがわかるのではないでしょうか。

無糖のブラックコーヒーならいいワケは?

上記のように、缶コーヒーを飲み続けることは、高血糖への道まっしぐらともいえます。

ですが、これが無糖コーヒーとなると話は別。最近では、無糖コーヒーをよく飲む人は、飲まない人に比べて糖尿病リスクや死亡リスクが低い、という研究結果もあげられてきています。

この研究は、1日3~4杯のコーヒーを飲むことで糖尿病のリスクが低下する、というもの。コーヒーに含まれている成分が、「2型糖尿病を予防する効果がある」と世界中の研究者から注目されているのです。

約5万6,000人の40歳から69歳までの人を対象にした、国立国際医療研究センターによる研究では、1日3~4杯のコーヒーを飲む人は、ほとんど飲まない人に比べると、男性で17%、女性では38%も2型糖尿病発症するリスクが低下することがあきらかとなりました。こうした傾向は、紅茶やウーロン茶では見られなかったようです。

コーヒーには、カフェインやクロロゲン酸が含まれており、これらの成分が代謝にかかわっているために糖尿病の予防にも影響しているのでは、と考えられています。

コーヒーに含まれるカフェインには交感神経を刺激する作用があり、飲んだ直後は血圧や血糖値は上昇します。ですが、コーヒーを毎日飲んでいると、体脂肪の燃焼が促進され、血糖値の低下にもつながっているのではないか。そして、クロロゲン酸の炎症や酸化ストレス抑制作用が、糖尿病や動脈硬化の予防にはたらきかけているのではないか、というのが、現在のコーヒーの糖尿病への研究結果です。

ですが、これはあくまで「無糖コーヒー」での話。缶コーヒーのように加糖したコーヒーでは糖分を過剰に摂取することなり、まったく逆の効果となることを覚えておいてください。

何杯まで飲んでいいの?

糖尿病、血糖値の上昇に対してのはたらきがあるとされる無糖コーヒーですが、もちろん、飲み過ぎは控えるべきです。

いうまでもなく、コーヒーにはカフェインが多分に含まれています。大量にコーヒーを飲むことでカフェイン中毒を引き起こし、高血圧や不整脈、不眠症、神経症などの症状を引き起こしてしまう危険があります。

カフェインは心臓の心筋にも作用するので、血流の排出量を増幅させたり収縮力に影響をあたえたりするため、心臓へ負担をかけるリスクも。

そのためEUの欧州食品安全機関(EFSA)では、望ましいカフェインの摂取量の指針を公表。成人の場合、1日のカフェイン摂取量は400mg未満。かつ、1回あたりの摂取量は200mg未満にするべきである、としています。

これを1杯あたりに換算すると、「1日4~5杯までしてください」ということ。くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。

【コラム】結局、コーヒーは飲んでもいいの?

コーヒーは缶コーヒーのように加糖していない、無糖のものであれば糖尿病や血糖値の上昇に対して効果がある、とされています。

しかし、まだまだ研究段階で未知の部分が多いのも事実。カフェインによる影響は少なからずありますから、コーヒーを飲む場合はほどほどに、たしなむ程度にするといいでしょう。

副作用などの不安が気になる方は、天然水などを活用することをおすすめします。天然水であれば血糖値の上昇に影響をあたえませんし、飲み過ぎて副作用を引き起こす心配もありません。

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