天然水の成分

天然水に含まれるミネラルって何?

栄養素は大きく糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・食物繊維・ミネラルの6種類に分けることができます。天然水に含まれるミネラルはこの六大栄養素の1つ。そこからさらに7種類の主要ミネラルと、9種類の微量ミネラルに分けることができます。

どうしてミネラルは体にいいの?

ミネラルは体内に4%しか存在しない微量の成分ですが、ビタミン同様「補酵素」の中心的な役割を担っており、健康維持のためには欠かすことができない成分です。しかし、ミネラルは体内では作ることができず、食事やサプリメントなどで補給するしかありません。

もしミネラルが不足してしまうと、新陳代謝が低下し、さまざまな機能が十分に働かず、最悪の場合は重篤な病気を引き起こすこともあります。

ミネラルと糖尿病の関係性

ミネラルにはインスリンの働きをするものが複数存在しており、それらが糖尿病と関係性があると考えられています。今後の研究に期待ができますね。ただ、すべてのミネラルが糖尿病に効果的というわけではないので要注意。

また、ミネラルのなかには過剰摂取すると糖尿病などの持病を悪化させるものもあり、自己判断でサプリメントを飲用するのはおすすめできません。当サイトではエビデンスをもとに、ミネラルと糖尿病との関係をまとめています。ぜひ当サイトを参考にしてみてください。

現代人はミネラル不足になりがち

ミネラルは体内で作ることができないため、食事やサプリメントから摂取するしかありません。また日本人は欧米人と比べるとミネラルの摂取量が少ないと言われています。その理由には、以下のような要因が挙げられます。

  • そもそも日本の土壌に含まれるミネラルの量が少ない
  • 野菜生産時に農薬や化学肥料を使う事によりミネラルが減少する
  • 米や小麦を精製するためミネラルの含有量が減少する

以上のようなことから、日本人はミネラル不足になりがち。さらに、現代では手軽に食べられるレトルトやインスタント食品が人気ですが、これらを過剰に食べ過ぎると、そのなかに含まれる添加物がカルシウムの吸収を妨げて、ミネラルの働きを阻害してしまうので、習慣化しないように気を付けなければなりません。

天然水に含まれるミネラル成分

カルシウム

骨や歯を構成するもので体重の約1~2%と高い割合を占めるミネラルです。歯や骨などに多く含まれていますが、1%ほどは血液や筋肉、神経組織などに含まれています。これは、神経やホルモンを安定させたり心筋の収縮にも関わっているからです。

カルシウムが不足するとイライラする…というのは、神経伝達にかかわっているからでしょう。

30代~40代の男性の1日必要量は650mg、女性は550mgです。2500mg以上摂取してしまうと過剰となります。食事に加えサプリメントを複数飲んでいる方は、摂りすぎないように注意しましょう。

カルシウムが不足すると骨粗しょう症の原因になります。逆に摂りすぎると高カルシウム血症や軟組織の石灰化、鉄分や亜鉛の吸収障害といった自体をまねくおそれがあります。

ナトリウム

食塩の主な成分で他の栄養素の吸収を助けたり、カリウムと共に神経や心筋など筋肉を動かすなど重要な役割を持ちます。また、細胞の中と外の水分量がバランスよくなるように、カリウムとともに働いています。

塩分の摂りすぎで血圧が上がるのは、ナトリウム濃度を下げようと血液が水分を取り込むため。血液の量が増えた分圧力が増し、血圧が上がってしまいます。日本人の食生活は塩分過多になりがちです。

食事の内容には注意したいところです。塩味に頼りすぎない味付けを心掛けましょう。1日あたりの摂取目安量は、男性で9g、女性で7.5gです。

ナトリウムが不足すると疲労感やふらつきなどが起こります。過剰に摂取すると、濃度を下げようと水分を取り込むため、血圧の上昇やむくみなどが起こります。

マグネシウム

カルシウムと共に骨や歯を作るのに必要なミネラルです。マグネシウムには実に300以上の役割があるとされ、骨の形成や神経伝達、血糖や血圧の制御など多岐にわたります。骨や筋肉、神経、脳などに存在しています。

神経伝達のバランスを整える働きがあるため、不足するとイライラすることもあるようです。また、筋肉がけいれんしたり骨粗しょう症、心疾患、糖尿病などの疾患リスクもあがってしまうようです。

サプリメントで補給できるほか、いわゆる便秘薬にも使われています。摂りすぎるとおなかが緩くなってしまうほか、高マグネシウム血症になるおそれも。

しかし、サプリメントや健康に良いとされるにがりなどを積極的に摂っていない限り、過剰摂取になりにくいミネラルでもあります。

カリウム

体内では細胞内液に多く、細胞の浸透圧や血圧の調整に関わっていることから高血圧や脳卒中の予防に役立つと言われます。

ナトリウムと合わせて、体内の水分バランスを保つ働きのあるミネラルです。その他、神経伝達や心臓、筋肉の働きにも必要とされています。

カリウムが不足すると疲労感やめまいなどが発生しやすくなります。酷くなると麻痺がおこることも。健康的な食事をしていれば、さほど不足しませんが、激しい嘔吐や下痢を繰り返すような不調が続くと、不足してしまうかもしれません。

腎臓が正常に動いていれば、摂りすぎたカリウムは尿中に排出されます。腎機能が落ちているところで摂取量が増えてしまうと、高カリウム血症のリスクが高まります。

筋肉の収縮が上手くいかなくなるため、手足のしびれや心臓停止といった重篤な症状が現れるおそれがあります。

亜鉛

亜鉛は、筋肉と骨に多く含まれ、その他に皮膚や臓器にも存在しているミネラルです。主に代謝に必要な酵素を作る役割を担い、関与する酵素の数は約300種類とも言われます。

また、細胞分裂に欠かせない存在で、不足すると免疫力の低下や精子減少、味覚障害が起きます。妊娠時に亜鉛が不足してしまうと、胎児や乳児の発育にも影響を与えるといいます。亜鉛は血糖値ともかかわっていることがわかっています。

亜鉛は食事のみでは過剰摂取は起こりにくいミネラルです。しかし、サプリメントや処方などで摂っている方は少し注意しましょう。亜鉛を摂りりすぎることで、銅欠乏が起き法とや免疫力の低下、下痢といった症状が現れることもがあります。

また、男性の場合は前立腺肥大や前立腺がんなどのリスクが高まるとされているので、長期にわたり多量の亜鉛を摂り続けるのは得策ではありません。

バナジウム

バナジウムは必須のミネラルではありませんが、インスリンと似た作用があるとされ糖尿病予防に期待が集まっています。しかし、飲料水でヒトに対するエビデンスは存在していません。なお不足しても体内に支障は出ることはありません。

ミネラルウオーターに含まれる程度の量であれば問題はありませんがバナジウムは強い毒性を持っています。そのため、過剰に摂りすぎてしまうと、なんらかの症状が現れるおそれもあります。しかし、そのあたりの安全性も現在まだ解明されていません。

シリカ(ケイ素)

人体に微量に含まれているミネラルです。体液や毛髪、爪、骨などに含まれています。骨を形成する細胞のあたりに多く存在している成分です。免疫機能やコラーゲンの再生・維持、皮膚の潤いを保つといった働きがあることが分かっています。

シリカが不足すると肌や髪がパサつくことも。また、骨の形成にかかわっているため骨粗しょう症のリスクも高まります。

また、マウスを使った実験で血糖値が下がったという報告があり、糖尿病患者へのシリカ使用についての研究が進められています。

クロム

クロムは体内ではインスリン作用が働いて炭水化物や脂質の代謝を助けます。その作用により、糖尿病などの生活習慣病の予防効果が期待できます。

クロムは藻類や調味料、きくらげの乾物などの食品に多く含まれており、主食では穀類や魚介類、肉類、卵にも多く含まれています。

また3価クロムと6価クロムの2つに分かれており、私たちが普段摂取しているのは3価クロムです。糖質やコレステロール、たんぱく質などの代謝をする作用があるのはこの3価クロムで、糖尿病予防としても積極的に摂りたいに成分です。6価クロムは金属など人為的に作られたもので、毒性の強く、過剰摂取してしまった場合は中毒症状を引き起こします。

炭酸水素イオン(重炭酸イオン)

炭酸水素イオン(重炭酸イオン)は温泉水や自然水に含まれる、唯一のアルカリ性ミネラルです。体内でインスリン効果も発揮することが分かっており、糖尿病の治療・予防効果に期待できるものの、摂取量によっては病気を悪化させてしまう懸念もあり、現在より詳しい病気との関連性や摂取量についての研究が進められています。

また、炭酸水素イオンは老化や病気の原因でもある活性酸素の働きを抑える「抗酸化作用」もあります。ただ、加熱処理を行うとせっかくの成分が壊れてしまいます。炭酸水素イオンの摂取を目的とする場合は、できるだけ生のまま食べたほうが良いでしょう。

鉄は脾臓や肝臓に貯蔵されていて、必要なときに臓器の貯蔵から補給される仕組みになっています。貯蔵鉄が不足すると、体調不良や貧血、免疫力の低下といった症状が生じます。なら、鉄をたくさん摂ればいいのかと言えば、実はそうではありません。鉄の過剰摂取は胃腸障害の原因になり、重篤な場合は死に至る可能性もあります。そのため、むやみやたらにサプリメントで鉄を摂取するのは危険です。

鉄は肉や魚に多く含まれていますが、日本人は欧米人と比べると肉を食べる量が少なめ。そのため、男女ともに鉄の摂取量が少ないと言われています。また同じ理由から、女性よりも男性のほうが貯蔵鉄が多い傾向にあり、貧血になりにくいとされています。その一方で、貯蔵鉄の多い男性は糖尿病リスクが高い、というデータも。次のページでは気になる鉄と糖尿病の関係についてまとめました。

マンガン

マンガンは植物性食品に多く含まれる栄養素で、老化や病気の原因でもある活性酵素を抑える働きがあります。また、血糖を調整するインスリンの合成にも関わっています。

マンガンは通常の食生活を送っていれば、基本的に不足することはありません。ただ無理なダイエットや絶食などの影響でマンガンが不足すると高血糖や脂質代謝の低下などの症状を引き起こしやすくなり、糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高まります。

コバルト

コバルトとは、赤血球やヘモグロビンの合成やインシュリン分泌に必要な必須ミネラルのひとつです。ビタミンB12を含む食品に含まれています。とくにコバルトが多いのは動物性食品ではレバー・カキ・うなぎなど。植物性食品のなかでは納豆やもやしなどが挙げられます。

コバルトが不足すると欠乏症を引き起こしますが、普段の食事から必要な量を十分摂取できるため、基本的にコバルトが不足する心配はありません。

また、無理なダイエットなどでコバルトが不足すると貧血を起こしてしまいます。貧血の原因は鉄不足と思われがちですが、鉄だけを摂取していても改善はしません。鉄やコバルトはもちろん、さまざまな栄養素を摂ることを意識しましょう。

ヨウ素

ヨウ素は食品に存在するミネラルで、甲状腺ホルモンの合成に必要です。また胎児の骨や脳の発育にも影響を及ぼすため、妊娠している女性や乳児にとっては不可欠な存在です。

ヨウ素は魚や海藻などの海産物、乳製品、穀物、野菜、調味料(ヨウ素塩)に豊富に含まれているので、通常の食生活を送っている方なら不足することはありません。もしヨウ素が不足すると、作業能力や思考力の低下といった症状のほか、甲状腺腫(甲状腺肥大)を発症する可能性があります。。

またヨウ素を摂りたいなら、野菜は土壌や使用している肥料によって異なることと、ヨウ素塩は缶詰などの加工品には含まれていないことを覚えておきましょう。

塩素

塩素は、体内では胃酸に含まれる成分に含まれるミネラルで、殺菌や消毒、膵液の分泌を促進する効果があるほか、血液の酸性・アルカリ性のバランスを調節をする役割も担っており、非常に重要なミネラルの1つです。

主に食塩や海藻類などに多く含まれており、また食塩から必要量のほとんどを摂取できるため、通常の食生活を送っていれば塩素が不足することはほとんどありません。もし塩素が不足すると、髪の毛や歯が抜けるといった欠乏症が生じます。

銅は、主にカキや牛レバー、ごまやナッツ類などに多く含まれるミネラルです。1日の推奨摂取量は1.8mgで、一般的な食生活を送っていれば銅が不足することはほとんどありません。ただし、遺伝性の吸収不全や下痢症などがある場合は不足しやすい傾向にあります。

銅はヘモグロビンと鉄を結合させる際に必要で、銅が不足していると貧血になりやすくなってしまいます。それは鉄が十分に足りている場合でも変わりません。貧血のほか、食欲不振や動悸、口角炎や舌炎といった症状が生じます。

銅を過剰摂取してしまうことはほとんどありませんが、サプリメントの乱用などで過剰に摂り過ぎた場合は吐き気や下痢といった中毒症状を起こすおそれがあります。

モリブデン

モリブデンは必須ミネラルの一種で、微量元素に分類されます。体内では主に肝臓や腎臓、骨、皮ふなどに存在しており、炭水化物と脂肪の代謝をサポートする働きや、貧血を予防する効果があります。以上の働きから分かるように、健康維持のためには欠かせない重要な成分ですが、必要な量が微量のため、モリブデンが不足する心配はほとんどありません。

また逆にモリブデンを摂り過ぎた場合は、銅の排出を過剰に促進させてしまいます。銅が不足すると貧血のほか、動脈硬化や心筋梗塞につながるおそれがあります。

セレン

セレンは抗酸化作用を持つミネラルで、細胞の酸化からくる老化や病気を予防したり、抑えたりする働きがあります。また、同じく強い抗酸化作用を持つビタミンEとの相性が良く、一緒に摂取することで相乗効果が働きます。

セレクトを多く含む食品は魚介類やレバー、玉ねぎやトマトなど。日本人は日頃の食生活で魚介類を食べる機会が多いので、基本的にサプリメントなどで補う必要はありません。ただ、普段あまり魚介類を食べないという方は食生活を見直したり、サプリメントやミネラルウォーターなどから摂取したほうがよいでしょう。

セレン欠乏症になると、過酸化脂質ができるため動脈硬化を起こしやすくなったり心臓病のリスクが高まったり、また女性の場合は不妊といった影響も考えられます。

リン

リンは必須ミネラルの1つで、マクロ元素に分類されます。人間の体内ではカルシウムに次いで多く、カルシウムとともに骨や歯を強くする働きがあります。また糖質の代謝をスムーズにする作用もあるので、ぜひ不足しないよう注意したい成分です。

また、リンは肉類や魚介類、乳製品など日頃食べるもののなかに十分含まれているため、体内で不足する可能性は低いとされています。反対に、過剰摂取は心配。リンを過剰に摂取するとカルシウムの量が減少してしまい、骨代謝にも影響が出ます。偏った食生活や清涼飲料水の飲み過ぎなどに注意しましょう。

硫黄

硫黄は必須ミネラルの1つで、体の基礎代謝に関わる大切な成分です。とくに髪や皮ふ、爪の健康維持のために大切で、硫黄を含む皮ふ薬もあるほど。美しい肌や髪や爪を保ってくれるので、美容面でも欠かせません。

主に牛肉や魚、卵、豆類に多く含まれており、普段の食事でタンパク質が十分に採れていれば、硫黄も問題なく摂取できているといって過言ではありません。

また硫黄は温泉水に含まれていることでも有名。最近では温泉水を飲む、いわゆる飲泉も注目を集めています。ただし、取り過ぎると過剰症になる可能性もあるので、過剰摂取にならないよう注意が必要です。

天然水の特徴とメリット・デメリット

天然水とは特定の水源から採水された水や鉱水など天然のミネラル成分が豊富に含まれている水のことを言います。カルシウムやマグネシウムの含有率によって2種類に分けられ、濃度が高ければ硬水、低いものは軟水と呼ばれます。

天然水のメリット

天然水に含まれるカルシウムやマグネシウといったミネラルは、基本的に食べ物から摂取できますが、体内に蓄えておくことができないため、不足しがちです。天然水なら、日頃の飲み物を変えるだけで不足しているミネラルを補給することができます。

ミネラルは血圧の管理をしたり、心臓病のリスクを下げたり、健康維持のためにはなくてはならない成分です。

天然水だけですべてのミネラルを補給できるわけではありませんが、手軽に無理なく摂取でき、サプリメントのように過剰摂取のリスクがないのは安心できるポイント。また、味わいにも優れていて食事と一緒に飲めるのもメリットです。

天然水のデメリット

天然水にはミネラル成分が豊富に含まれていますが、とくにミネラルを多く含む天然水はクセが強く、味わいが落ちるだけでなく、摂りすぎると下痢などを引き起こすこともあります。

とくに海外の天然水はミネラルを多く含む硬水が多いため、日本で主流の軟水を飲み慣れている人は注意が必要です。

つまり健康に良い天然水と言えども、ミネラル含有量によってはデメリットになることもあるのです。

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